2006年09月28日
ハイテク医療最前線
【第78回】「生活の質」保ち進行止める/松野リウマチ整形外科松野博明院長
関節リウマチのLCAP療法(3)
関節リウマチの治療法は現在、かなり進化してきている。従来の痛みなどを抑えるだけの治療から、進行を早くから食い止め、QOL(生活の質)をいかに保つかが、重要視されるようになっている。
薬物治療が効果を発揮しない場合でも、LCAP療法はリウマチの重症化を防ぎ、治療の選択肢を広げたことになる。LCAP治療を受けたことで特別にすることはない。使っていた薬や食事の制限も特にない。
リウマチ研究で知られ、現在は地元の富山市でリウマチ治療にあたっている松野博明・松野リウマチ整形外科院長は、治療法の変化を次のように話す。
「従来の治療法は、効き目が弱くても副作用が少ない薬から使い、炎症が抑えられなくなったら強い薬を使うといったピラミッド方式でした。今でも多くの病院が実施していますが、最近の考え方は逆ピラミッド方式。早くから積極的に治療することが炎症の進行を食い止める効果が高いことが分かってきたからです」。
慢性化する関節リウマチでは初期に進行することも多い。また、リウマチ治療薬の開発が進み、効果が高いリウマチ治療薬が使えることも逆ピラミッド方式が推奨される理由になっている。
「炎症を起こす関節の滑膜増殖を引き起こす物質を抑えたり、骨の破壊を抑える生物製剤(バイオ製剤)も出ています。新薬も来年にかけていくつか認可される方向と聞いています。QOLを保つ治療がリウマチの進行を食い止めるという点が大切です」。
LCAP療法は基本的には薬の効き目が弱くなった人が対象になるが、実際には関節内の炎症を抑えることで薬がまた効果を発揮し出すという相乗効果も生み出している。
「リウマチ治療は患者さんと医者が一体となって取り組むことが重要です。生活習慣の改善やリハビリも大切。知識はもちろん、いろいろな角度から治療に取り組める病院内の環境整備もリウマチ専門医には求められることになるでしょう」と松野院長は強調する。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆リウマチ遺伝子 HLAと呼ばれる免疫に関する遺伝子があり、慢性関節リウマチの人はHLA-DR4という種類のたんぱく質でつくられたHLAを持つ人が多い(60~70%いる)。といっても違う型の持つ人も関節リウマチになる場合もあり、リウマチが遺伝病というわけではない。
September 28, 2006 09:32 AM
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