2006年07月29日
ハイテク医療最前線
【第18回】床ずれ治療など介護面でも活用/日本臨床医療レーザー協会菊山賢理事長
レーザー(3)
もともと軍事・通信・工業用として開発されたレーザーは応用範囲が広く、研究開発も盛ん。その成果は医療用として活用されてもいる。今後も医学的にかなり期待がされているハイテク技術である。
高エネルギーを持つレーザーはさまざまな作用に転換させることが可能。尿路結石を細かく砕くこともできるし、光活性物質を静脈注射でがん細胞に集め、低出力のレーザーを照射すると、光活性物質が制がん作用を持つ光化学療法もある。
また角膜を薄く削って屈折率を変えることで近視治療をするレーシック手術はレーザー治療として知られるようになっている。光凝固作用を利用して眼球からはがれた網膜をくっつける療法は早くから行われている。
レーザー治療の啓蒙(けいもう)活動を行っているNPO法人日本臨床医療レーザー協会の菊山賢理事長は「がん治療などの難病治療、診断・測定への応用、介護分野での活躍がレーザー技術には期待できる」と話す。
がん治療ではモニターを見ながらレーザー照射によりがん細胞を破壊する内視鏡レーザーが主流となる可能性もある。色素に敏感に反応する性質を応用、がん細胞だけに取り込まれる色素を血液に入れて、がんの早期発見に使う道もある。
診断・測定では他の技術と組み合わせたレーザーCT、レーザー顕微鏡、レーザードップラー(血液検査)などの改良・普及が見込まれる。
介護面でも役立つ。レーザー照射は痛みや炎症抑制作用があり「すでに寝たきりの人の床ずれ治療にレーザーが活用されています。ポータブルタイプのレーザー機器が開発されれば在宅医療用として必需品になると思います」。
医療用のレーザー開発は欧米と比べて日本は遅れているとの声もある。普及を阻む規制の多さなどもあるが、保険診療を原則としている公立・公共病院などが導入しにくい医療体制も臨床例が増えず、改良も進まない事情もネックになっている。
「レーザー機器の価格も高いので診療者が多そうなものばかりに使われ、医療効果の高い病気に応用されないという悪循環もみられます」。
患者自身がレーザー治療をどう理解するかに今後がかかっていそうだ。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆レーザーの安全基準 出力が低くても直視すると目の障害危険があり、JIS(日本工業規格)など各国で安全基準が定められている。クラス分けされクラスごとに労働衛生安全管理体制の整備が必要。クラス1でもビームの直視は100秒以内としている。
July 29, 2006 09:08 AM
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