健康連載ブログ

2006年07月27日

ハイテク医療最前線

【第16回】足腰に低出力照射の不妊症治療/日本臨床医療レーザー協会菊山賢理事長

レーザー(1)

 ハイテク医療で普及している1つがLASER(レーザー)。誘導放出による光の増幅、という意味のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字を取ったものだ。

 簡単に言えば、高いエネルギーを持つ人工の光。波長の短い紫外線やエックス線、逆に波長が長い赤外線のレーザー光を発生させる装置もある。光が拡散しない指向性が強く、レンズでピンポイントに絞ることもできる。

 医療レーザーの正しい知識の普及・研究、技術の向上を目的として活動しているNPO法人日本臨床医療レーザー協会の菊山賢理事長はレーザー治療の現状について次のように話す。

 「レーザーのコントロール技術と臨床応用の研究から治療分野が広がっています。切開や切除をするレーザーメスは有名ですが、低出力レーザーは、がん細胞を破壊する温熱療法に使われています。血管を縫い合わせるレーザー照射もあります。どのレーザー治療も体への負担が少ないのが特長なので、今後とも応用範囲は広がると思います」。

 最近、話題になっている不妊症治療もレーザーを使ったものだ。患者の首や周囲の背骨、足、腰に低出力レーザーを照射し、筋肉をほぐすというもの。子宮内の血行が悪い冷え症の人に不妊症が多いことに着目したもので、10回以上の人工授精や体外受精でも妊娠しなかった女性の成功例もある。

 保険適用となるレーザー治療も増えている。前立腺肥大症、網膜凝固、後発性白内障、緑内障、鼻アレルギー治療などは保険が利く。

 ただその一方でレーザー治療例が多いものほど保険適用外になっている問題もある。レーザー機器は値段が高く(1台4000万~5000万円のものも多い)、治療費も高くなる。

 「椎間板ヘルニア、あざ・しみ治療、脱毛、近視・乱視などのレーザー治療は自由診療です。マスコミなどへの露出度も高い分野なのでレーザーのイメージを固定化している面があります。レーザー治療の医学的長所はそれだけではない、と言いたくなりますね」と菊山理事長。現状の問題点は次回に。

 【医学ジャーナリスト小野隆司】

 ◆応用の歴史 レーザー光発振は1960年、米国の学者が初めて成功した。医療分野への応用も早く、翌61年には網膜剥離(はくり)の手術、70年には膀胱(ぼうこう)結石の手術にレーザーが使われている。日本では80年代に入ってレーザー医療が始まっている。

July 27, 2006 08:56 AM

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