健康連載ブログ

2006年07月23日

ハイテク医療最前線

【第12回】ゲーム感覚のリハビリロボット/芝浦工大システム工学部米田隆志教授

介護・医療支援(3)

 衰えた機能を回復させるリハビリテーションは介護・福祉でも重視されるようになってきた。寝たきりを防ぐ対策にもなる。寝たきり者の日常生活支援のための福祉ロボットシステム開発を主な研究テーマとしている芝浦工業大学の米田(こめだ)隆志教授は、リハビリ分野におけるロボット開発について次のように話す。

 「開発は80年代後半から始まっていて歩行訓練用のものはいくつか商品化されています。最近は神経に再生能力があることが分かってきたことから、脳卒中や脊髄(せきずい)損傷のリハビリとして歩行訓練ロボットが使われるようになっています」。

 下半身だけでなく手・腕の上肢リハビリ用の訓練ロボットも研究されている。米田教授も現在、実用化に向けて試作品を作り実験中。パソコンのようにモニター画面があり、映った映像の指示でマウスにあたる握る部分を動かすことが訓練になる。

 脳卒中のリハビリ方法としては、はしで小さなマメをつかむ訓練が昔から有名だが、そのハイテク版といえる。「画面に映ったバネを伸ばす動きをするとバネが伸びるほど力を入れるようにプログラミングされています。ゲーム感覚で効果的なリハビリができることを目標にしています」。

 リハビリの効果は分かっていても続かないのが最大の問題といわれている。指導する専門家が少ないのも現状。米国ではリハビリ補助をするロボット(インモーション2)も開発されている。

 ロボットのアーム部分にひじから手首を固定し、モニター画面にでるエクササイズに合わせてロボットの腕を動かす。ロボットが動く力具合が設定されていて、効果的な回復プログラミングが実行できる。「リハビリの専門家も効果を上げるコツは気合というほどやる気が起きるかどうかが大事。ハイテク技術がそうした部分をカバーできる範囲は広い、と思っています」と米田教授。

 心身の機能回復として馬に乗る乗馬療法があるが、馬の鞍の動きを再現した乗馬フィットネス機器もテレビなどで紹介されるようになった。「当たり前ですが最後の選択基準は必要性。誰がどのように必要としているかを考えた開発が大切です」。介護する側に比べて介護される側の声が少ないかもしれない。

 【医学ジャーナリスト小野隆司】

◆リハビリの現状 最も重要な段階といわれる回復期リハビリ(1~6カ月)を扱う病床数は人口10万人あたり約20床。50床は必要といわれている。介護保険でもリハビリは受けられるが施設が少なく、訪問リハビリも利用範囲が限られている。

July 23, 2006 10:08 AM

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