2006年07月22日
アンチエイジング医学最前線
【第11回】リハビリ分野のロボット実用化/芝浦工大システム工学部米田隆志教授
介護・医療支援(2)
日本のハイテク技術、ロボット技術は世界最先端。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は介護・医療ロボットの支援事業を行っている。
支援事業の対象となった開発研究は緊急救護対応ロボット(九州大学)、上肢リハビリ訓練ロボット(大阪大学)、自己介護用半自律ロボットシステム(九州工業大学)、身体機能を強化するロボットスーツ(筑波大学)、味覚を持つパートナーロボット(NECシステムテクノロジー)など多彩だ。
介護・福祉・医療支援分野のロボット開発は商品化が可能なものが多数出現している。ただし普及へは大きな壁もある。二十数年、日常生活支援の福祉ロボットシステムの研究・開発に取り組み、医用工学研究で知られる芝浦工業大学の米田(こめだ)隆志教授は「人の代わりをするロボットは価格面、装置そのものが大き過ぎるなどの問題もありますが、必要性が立場によって違うという点が解決されないと普及は難しいでしょう」と話す。
介護ロボットのケースでは、介護をする側のニーズは高い。介護には力仕事が結構多い。移動機器は入浴補助、おむつ交換などもスムーズに行える。開発も進み製品化(商品名レジーナ)もされている。
一方、ロボットに介護される側の意見は微妙である。欧米の調査では“どんな高機能なものでもロボットは使いたくない。人にして欲しい”という回答は少なくない。介護をする側の負担を減らすだけの介護は本末転倒ともいえる。
普及にあたっては健康保険適用など行政の対応がカギとなる。高齢少子化の現在、医療・介護・福祉への国の基本姿勢は自立・社会参加の促進。自立につながる介護は支援するが、介護費用の増大は歓迎しない。開発研究の補助金も介護機器よりも自立支援機器に多く割り振られる傾向になっている。「便利ではあっても省力化が目的のものは求められなくなるでしょう。現状維持ではなく、よりプラスをもたらす機器の方が実用化も早いでしょう」と米田教授は予測する。
その意味ではリハビリ分野におけるロボットが注目され、実用化も始まっている。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆電動車椅子 自立移動の観点から単なる電動から1歩進んだタイプが開発されている。米国製では階段昇降、4輪が2輪で立ち上がり座席が高く上がるものが実用化している。障害物を自然とよける、使用する人間の生体信号をキャッチして動くなどインテリジェント化したタイプも実用化に向けた研究がされている。
July 22, 2006 10:02 AM
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