2006年07月16日
ハイテク医療最前線
【第6回】胃カメラとしても期待/アールエフ丸山次郎社長
カプセル内視鏡(3)
現在、カプセル内視鏡が一番期待され、利用されているのは小腸内の検査。その目的で開発され、今のカプセル内視鏡は、食道や胃の撮影には適していない。食道は通過時間が短く、胃は大きすぎるためカメラレンズのピントが合わずカプセル内部から照らすライトの明るさも不十分なためだ。
次世代型を開発しているアールエフ社(本社・長野市)の丸山次郎社長は「開発にあたって研究に参加していただいた医療関係者に要望されたのが、1カ所に止まる機能です。可動式のピントやLEDライトによる照明などの改良は可能なので胃の検査はできるようになるでしょう」と言う。
欧米では食道観察用のカプセル内視鏡は開発されている。体外から動きをコントロールできるようになれば用途は格段に広がる。薬物噴出装置を付ければ、患部の治療にも使えるようになる。また超音波エコー診断機能が内蔵できれば、すい臓や胆のうなど外部からのエコー診断では発見しにくい部分の映像分解度も上がる。
近い将来なら胃カメラとしての活躍が期待される。現状の胃カメラ(上部消化管内視鏡)の検査を避ける人が多いからだ。最大の理由は苦痛。肛門(こうもん)から入れる大腸検査(下部消化管内視鏡)は胃カメラ以上の苦痛が伴うとされる。
苦痛を軽減する麻酔などの工夫もされているが、胃がんの早期発見の最大の障害は胃カメラが敬遠されているからだ、と言う専門医もいる。内視鏡検査機器は映像検査だけでなく組織検査のために鉗子(かんし)を入れて一部を取れる長所もあるが、映像検査だけなら苦痛はないほうがいい。
「次世代カプセル内視鏡に期待されることの大部分は技術的な見通しがついているので実現可能です。当面はカプセル内視鏡がいかに普及するかです」と丸山社長。
医療器具として厚生労働省の認可を待つとともに「臨床試験のデータを重ねることでカプセル内視鏡の活用性を医療関係者や一般の方々に知ってもらうことの方が普及のカギでしょう」とも。
ハイテク医療は医師の責任で導入し、治療実績を重ねることで普及するケースが多い。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆検査料 実用化されているイスラエル製のカプセル内視鏡の検査料は米国で1050ドル(約12万750円)、カプセル代450ドル(約5万1750円)ほど。日本の場合は臨床研究の名目で医療機関が負担する場合もある。いずれにしても普及度が検査料に反映するのは確か。
July 16, 2006 08:54 AM
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