2006年07月12日
ハイテク医療最前線
【第2回】膵臓・肝臓がんの内視鏡下も行う/医誠会病院ロボット手術センター堀田隆久所長
手術ロボット(2)
内視鏡下手術を行う手術ロボットは97年にドイツで導入されたのを皮切りに治療実績を重ねている。日本でも01年以降、導入医療機関において胆石症、気胸、胃がん、大腸がんなどの手術が行われている。慶応義塾大学病院ではこれまで難しかった膵臓(すいぞう)・肝臓がんへの内視鏡下手術を実施している。
国内有数の手術例を持つ医誠会病院(大阪市)の堀田隆久ロボット手術センター所長は「内視鏡下手術が標準となっている胆石症への適用が一番多いのが現状ですが、手術範囲は広がっています。熟練した内視鏡医でないとできなかった十二指腸穿孔(せんこう)の緊急手術もこなしています。今後は心臓バイパス手術や子宮・卵巣など婦人科領域の手術などを予定しています」と話す。
手術ロボットが医療器具として認可され一般的に使われている米国では、従来の内視鏡下手術では熟練度が必要だった前立腺手術への使用が目立つという。
手術ロボットは内視鏡下手術を行うものなので、治療長所は内視鏡下手術のメリットと共通する。(1)傷口が小さく術後の痛みが少ない(2)入院期間が短縮される(3)日帰り手術も可能になり社会復帰が早まる、などだ。
「ロボット手術センターでは01年以来130例ほど実施していますが、通常の内視鏡下手術と比較すると手術時間、入院期間とも短くなっています。胆石手術の3分の2の患者さんは手術の翌日に退院しています」。
また手術ロボットは担当する外科医にも恩恵をもたらす。コンピューター制御による操作なので長時間手術でも体力的疲れが少ないことだ。腰痛に悩む外科医も案外多い。手術台の下に小さな踏み台を用意する人もいる。交互の足を乗せることで腰痛を防ぐためだ。
「患部を判断し、どう処置するかが外科医の腕。ロボット手術に名医が必要なくなるわけではありません。年齢による細かな手先の衰えなどがハンディにならなくなるわけですから、名医が長く活躍できるのも手術ロボットの長所でしょう」。
メリットが大きい手術ロボットだが、一般的普及にはいろいろハードルがある。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆触覚 手術ロボットは患部に触れた際の触覚までは医師に伝わらない。患部の硬さなどは病状の判断材料となるため、開発メーカーでは触覚を伝える手術ロボットを研究中。日本でも慶応大学の医学部と理工学部が共同して触覚が伝わるシステムの開発をしている
July 12, 2006 08:15 AM
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