健康連載ブログ

2006年07月11日

ハイテク医療最前線

【第1回】名医も脱帽する能力/医誠会病院ロボット手術センター堀田隆久所長

手術ロボット(1)

医療の歴史は道具の進化と切り離せない関係にある。高度先進医療はコンピューターを筆頭に先端技術のオンパレードである。職人芸の世界とも言われる外科手術においても手術ロボットが登場している。

 ダビンチ、ゼウスと呼ばれる2種類があり、東北大学、慶応大学、大阪大学、九州大学などの付属病院、大阪市の医誠会病院などいくつかの民間病院にも導入されている。日本外科学会指導医で5年前からゼウスによる手術を行っている堀田隆久・医誠会病院ロボット手術センター所長は次のように説明する。

 「手術ロボットとはいっても操作をするのは外科医です。手術支援ロボットと呼ぶほうが正確でしょう。ただロボットの手は人の手より細かい作業が可能になり、2ミリ間隔に8針も縫えます。名医も脱帽するほどの能力です」。

 ダビンチ、ゼウスとも内視鏡手術を行うために米国で開発され、欧米ではすでに約8000例の手術実績がある。手術は体の3カ所に直径1センチほどの穴を開け、そこから3本のロボットアームに保持された鉛筆ほどの太さの細長い手術道具を入れる。1つは内視鏡で手術個所がモニター画面に映し出される。画像は3D(立体画面)となり拡大、縮小も自由にできる。残りの2つは患部の切除や血管を縫い合わせたりする“名医”の手となる。

 手術を担当する医師は手術台とは離れた場所から3本のアームを操作する。手術をする2本のアームは操作ハンドルの動きに従うが「操作する医師の動きは縮小されて手術ロボットに伝わります。数ミリ単位での設定が可能なので人の手以上の細かな作業が可能になるわけです」。

 九州大学医学部付属病院のデータでは平均400秒かかった縫合手術が180秒に短縮している。また動く最大幅を前もって設定しておくため、間違って大きくハンドルを動かした場合でも他の組織を傷つける危険性は回避できるようになっている。

 「手術ロボットを使いこなすには訓練が必要ですが、基本的には内視鏡手術の進化型なので内視鏡手術に慣れた外科医なら難しくないはずです。開発メーカーでも訓練プログラムを作り終了証なども発行しています」。

 手術ロボットの活躍ぶりは次回で。

 【医学ジャーナリスト小野隆司】

 ◆国産型手術ロボット 産学連携で国産の手術ロボット開発も進んでいる。特に人体の断層像が得られるMRI対応手術支援ロボットは注目されている。患部の位置が正確に分かるため、より正常組織の損傷低減が可能になる。脳腫瘍(しゅよう)、乳腺がん、椎(つい)間板ヘルニアなどへの応用が期待できる。

July 11, 2006 11:51 AM

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