2006年07月07日
この病気にこの名医Part2
【第176回】早期発見にダーモスコピー/虎の門病院大原国章部長
皮膚がん
南極大陸の上空にあるオゾン層が破壊され、より多くの紫外線が地上に降り注ぐようになった。オーストラリアでは皮膚がん患者が急増し、幼児期から日焼け止めクリームを塗るように教育・指導されている。
紫外線の影響は日本にも出ており、やはり皮膚がん患者が増加している。皮膚がん治療の第一人者、虎の門病院(東京・港区)皮膚科の大原国章部長は次のように言う。「紫外線は皮膚がん発症の大きな原因の1つです。患者数は増えており、年間約1万人以上が発症していると推測されています」。
皮膚がんの年間死亡者数は04年が1138人。皮膚にできるがんなのに発見の遅れる人がいるのは、なぜ!? と思う人も多いだろう。「単なるホクロと思ってしまう人もいます。また、悪化してしまうと怖いから受診しないという人もいます。さらに、陰部にできる皮膚がんの場合は、気付きにくいということもありますし、泌尿器科や婦人科を受診しても、皮膚がんの専門医ではないので分からないことが多いのです」。
代表的な皮膚がんは「基底細胞がん」「有棘(ゆうきょく)細胞がん」「メラノーマ(悪性黒色腫)」「パージェット病」である。これらは皮膚にできるが、多少できる場所が異なっている。
体を外界から守っている皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の3つの層からできている。表皮にでき、その中の基底細胞と性状がよく似ているのが基底細胞がん。有棘細胞がんは表皮の有棘層を占める角化細胞にできるもの。メラノーマは表皮にあって紫外線から身を守る色素細胞のメラノサイトががん化する。パージェット病は陰部の表皮にできやすく、分泌腺の細胞ががん化するのである。
もちろん、早期発見、早期治療が重要。「紛らわしいホクロを除外して、早期発見を可能にしたのが、今年4月から保険適用となった『ダーモスコピー』です」。病変部を10倍に拡大して調べられる拡大鏡。皮膚面とレンズの間にゼリーを塗って光の乱反射をなくす。ライトが内蔵されているので明確に患部が見える。「これを使えば皮膚がんの95%は診断がつきます」といわれるほど、診断率は確実にアップした。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆皮膚がんの名医
▼弘前大学医学部付属病院(青森県弘前市)皮膚科・金子高英病棟医長
▼群馬大学医学部付属病院(群馬県前橋市)皮膚科・田村敦志講師
▼国立がんセンター中央病院(東京都中央区)皮膚グループ・山崎直也医長
▼新潟県立がんセンター(新潟市)皮膚科・竹之内辰也部長
July 7, 2006 10:50 AM
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