2006年07月06日
この病気にこの名医Part2
【第175回】保存的と手術的/東京医科大学病院駒形正志助教授
腰部脊柱管狭窄症の治療(下)
背骨にある神経の通り道の脊柱管(せきちゅうかん)。その腰部にある脊柱管がさまざまな原因で狭くなり、神経を圧迫して腰痛や脚のしびれ、まひなどを引き起こすのが腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症である。
治療には「保存的治療」と「手術的治療」がある。
◆保存的治療 「保存的治療には『理学療法』『装具療法』『薬物療法』『神経ブロック』などがあります」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授が言う。
腰をホットパックや極超短波、レーザーなどで温めて血行の改善を図るのが理学療法の中の「温熱療法」。このほか「けん引療法」や「マッサージ療法」などがある。
装具療法はコルセットを使う方法で、その左右には金属の支柱がついている。体がそらないようになるので、脊柱管が狭くなるのを防ぐ働きがある。「神経も血液が必要で、酸欠になると症状は強くなります。装具を使い、ここに薬物療法として『末梢(まっしょう)循環改善薬』などを使います。すると約30%の人々に何らかの効果があることが知られています」。
薬物療法としては、骨粗鬆(しょう)症に用いる「カルシトニン製剤」「抗血小板薬」「血管拡張薬」などが用いられている。
神経ブロックには、神経根ブロックと硬膜外ブロックがあるが、神経根ブロックは、直接神経根に注射針を刺して麻酔薬を注入する。「神経根に直接なのでその瞬間は激痛ですが、麻酔が入ると痛みがとれます」。さらに、ステロイド薬も入れるので炎症も抑えられる。「ただ、馬尾神経が圧迫されている人は、神経ブロックはあまり効果がありません」。
◆手術的治療 手術には「開窓術」「椎(つい)弓切除術」「脊椎固定術」などがある。
開窓術は背中側からアタックして神経を圧迫している骨を部分的に削り取る方法である。椎弓切除術だけの場合と、脊椎固定術が併用される場合がある。脊椎固定術では、チタンのネジやロッドを使って体を支えるインスツルメンテーションを用いての固定手術が中核。いずれも基本は減圧術である。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆腰部脊柱管狭窄症の名医
▼京都府立医科大学付属病院(京都市上京区)整形外科・長谷斉助教授
▼和歌山県立医科大学付属病院(和歌山市)整形外科・川上守助教授
▼山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)整形外科・田口敏彦教授
▼総合せき損センター(福岡県飯塚市)整形外科・植田尊善部長
▼久留米大学病院(福岡県久留米市)整形外科・永田見生教授
July 6, 2006 09:16 AM
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