健康連載ブログ

2006年07月04日

この病気にこの名医Part2

【第173回】重症だと動かなくてもつらい/東京医科大学病院駒形正志助教授

腰部脊柱管狭窄症(下)

 「腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」は背骨にある神経の通り道の「脊柱管」が、腰椎の加齢変性、周囲の靭帯(じんたい)の変性、腰椎(ようつい)分離・すべり症などが原因で圧迫され、脊柱管が狭くなって神経に影響を及ぼす疾患である。

 「症状にはいくつかのタイプがあります」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授が言うタイプとは「馬尾型」「神経根型」「混合型」だという。

 ●馬尾型 腰部の脊柱管の中央を通るのが神経の束となっている馬尾神経。座骨神経痛のような強い痛みはないが、広範囲に症状が生じる。「両脚全体がしびれるため、しびれが脱力感をも生み、脚に力が入りにくいのです。さらに、思わぬ症状も出ます」。膀胱(ぼうこう)障害や直腸障害である。膀胱障害では頻尿や残尿感が起き、直腸障害では便秘が起こってしまう。

 ●神経根型 脊柱管の左右を走る神経根が圧迫されると、強い座骨神経痛のような症状が出る。つまり、腰から足先にかけて激痛やしびれが走る。神経根は左右に通っているので、圧迫された側の脚に痛みが起きる。

 ●混合型 馬尾型と神経根型が同時に起きているタイプで、症状もまじり合っている。
 これらの3タイプに共通している症状が「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」。しばらく歩くと脚が痛くなって歩けなくなる。ところが、少し休むとまた歩けるようになる。その歩ける距離が重症になるに従って短くなる。「手押し車(シルバーカー)や買い物のカートを押して歩いている方々は、まず腰部脊柱管狭窄症です。姿勢が胸を張った状態ではなく、前傾しています。その姿勢だと楽なのです。前かがみになると圧迫が解放され、脊柱管が広がるからです」。

 間歇性跛行の症状を出す疾患は腰部脊柱管狭窄症のほかに下肢閉塞(へいそく)性動脈硬化症がある。「下肢閉塞性動脈硬化症の場合は、ふくらはぎだけが痛くなりますが、腰部脊柱管狭窄症の場合多くは下肢全体がシビレたり痛くなります。どちらも座って休めば、楽になります」。

 3タイプいずれにしても、重症になると、じっとしていても症状が出てくるのでつらいものがある。その状態をみて手術に踏み切ることにもなる。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆腰部脊柱管狭窄症の名医
 ▼独協医科大学越谷病院(埼玉県越谷市)整形外科・野原裕教授
 ▼埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)整形外科・高橋啓介教授
 ▼九段坂病院(東京都千代田区)整形外科・中井修病院長
 ▼東京医科大学病院(東京都新宿区)整形外科・駒形正志助教授
 ▼東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)整形外科・四宮謙一教授
 ▼日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)整形外科・徳橋泰明助教授

July 4, 2006 01:36 PM

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