2006年07月03日
この病気にこの名医Part2
【第172回】歩くと下肢に痛みしびれ/東京医科大学病院駒形正志助教授
腰部脊柱管狭窄症(上)
今年1月、今「最も休まないキャスター」「最も収入の多いキャスター」として有名なみのもんたが手術を行ったことで知られたのが「腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」。中高年の人々が悩む腰痛や座骨神経痛の原因の1つである。「間歇性跛行(かんけつせいはこう)をきたす疾患として知られています」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授は言う。
間歇性跛行とは、しばらく歩くと下肢に痛みやしびれが生じ、少し休むとまた歩けるようになる状態をいう。500メートル歩いて休んでいたのが、重症になるに従って200メートル、100メートルと短くなっていく。「手押し車(シルバーカー)を押して歩いている年配の方を見掛けることがあると思うのですが、あのように手押し車を押している方々は、まず腰部脊柱管狭窄症があります。前傾姿勢をとると、症状が楽なのです。それは狭くなっている問題の脊柱管が前屈姿勢で広がって神経への圧迫が緩むからです」。
その間歇性跛行を生み出すメカニズムは、以下のようである。
背骨は椎骨(ついこつ)が積み重なってできている。その椎骨の腹側は円柱状の椎体で、背中側は突起部のある椎弓となっている。椎体と椎弓の間には孔(あな)があいていて、これが積み重なると脊柱管となる。この脊柱管の中には非常に重要な脊髄(せきずい)が通っているが、第1腰椎から下は馬のしっぽのような形をした馬尾(ばび)神経と神経根が通っている。脊柱管がさまざまな原因で狭くなって、馬尾神経や神経根が圧迫されるために起こるのが腰部脊柱管狭窄症である。
生まれつき腰部脊柱管が狭くて起こる先天性のケースもあるものの、その多くは後天性である。「椎間板が老化によって変性して、膨隆したり、脊柱管の周囲の靭帯(じんたい)が厚くなったりと、脊柱管を狭くする原因はいろいろあります。ほかにも腰椎すべり症の場合にもみられます」。
神経を圧迫する状況や場所によっては、肛門(こうもん)周囲にまでしびれが及んだり、さらには、膀胱(ぼうこう)や直腸にまで影響を及ぼす結果、排尿・排便が難しくなるケースも出てくる。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆腰部脊柱管狭窄症の名医
▼えにわ病院(北海道恵庭市)整形外科・佐藤栄修副院長
▼八戸市立市民病院(青森県八戸市)整形外科・末綱太科長
▼西多賀病院(仙台市太白区)石井祐信院長
▼福島県立医科大学付属病院(福島市)整形外科・菊地臣一教授
▼千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)整形外科・高橋和久助教授
▼千葉労災病院(千葉県市原市)整形外科・山縣正庸部長
July 3, 2006 01:03 PM
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