2006年07月02日
この病気にこの名医Part2
【第171回】出ている症状抑える対症療法/川鉄千葉病院大森繁成元部長
風邪症候群の治療(下)
内科を受診して「風邪」、いわゆる普通感冒と診断されると薬物治療が基本。「風邪のウイルスは200種類以上あり、それらのウイルスを直接たたく薬は、今のところありません」と、普通感冒に対する現状を話すのは、川鉄千葉病院内科の大森繁成元部長(8月上旬より千葉市花見川区の大森ファミリークリニック院長)。
そのため、出ている症状を抑える対症療法となる。せきがつらいようであれば鎮咳(ちんがい)薬、いわゆるせき止め薬を使う。くしゃみ、鼻水がつらいと抗ヒスタミン薬。のどの痛みにはトローチや抗炎症薬。そして、発熱には解熱薬が使われる。「解熱薬を使うときはアセトアミノフェンが使われます。アスピリンやNSAIDS(ボルタレン、ポンタールなどの消炎鎮痛剤)はインフルエンザ脳症、ライ症候群との関連が示唆されており不適当です。また、妊婦さんには禁忌です」。
また、かつては普通感冒に対してもどんどん抗菌薬が出され、大きな社会問題となった。「抗菌薬を使う症例はそれほど多くはなく、限定されています。溶連菌と一部の副鼻腔(びくう)炎に対しては抗菌薬のアモキシシリンが第1選択です。肺炎になっているときは、炎症を起こしている菌に有効な抗菌薬を選んで使います」。
ただ、普通感冒の場合は、薬を使わずに安静にして栄養のある物を取っていると1週間程度で回復する。その改善方法は以下のようである。
●気道の保湿を守るよう、室内は湿度60%程度にする。
●暖かくして布団に入って休んでいる。
●ビタミンCを十分取るために果物を食べる。
●うがいや手洗いを励行する。
●マスクをする。
「下痢症状を出すケースもあります。おかゆやうどんなど、消化の良いものを取ることも大事です」。もちろん、インフルエンザの流行が近づく11月には、インフルエンザワクチン接種が大事。また、65歳以上の高齢者は、2週間くらい間隔をあけて肺炎球菌ワクチンの接種を受けるのも大切である。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆風邪症候群の名医
▼倉敷中央病院(岡山県倉敷市)呼吸器内科・石田直主任部長
▼長崎大学医学部・歯学部付属病院(長崎市)呼吸器内科・河野茂教授
▼日本赤十字社長崎原爆諫早病院(長崎県諫早市)呼吸器科・斎藤厚院長
July 2, 2006 12:57 PM
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