2006年07月15日
ハイテク医療最前線
【第5回】カメラ回転87万枚画像撮影/アールエフ丸山次郎社長
カプセル内視鏡(2)
カプセル内視鏡のシステムは、基本的には、カメラ内蔵のカプセル、カプセル内から送信される画像データのセンサーおよび記録装置、撮影画像を処理するワークステーションの3つで構成されている。それぞれの部分でバージョンアップが図られている。
欧米を中心に臨床現場で使用されているイスラエル製の最新型では、画像に赤色の要素が多い場合(出血個所)は自動的に印が付く。映し出された画像が消化管のどの位置なのかを示す表示画面もある。解析ソフト次第でさまざまな画像再現が可能になる。
もちろん画像の再生、停止、早送り、巻き戻し、コマ送り・戻しも可能だ。見落としを少なくするためのバージョンアップともいえる。
ハイテクの技術革新はすさまじい。普及もこれからというのに早くも次世代型も登場している。
ワイヤレス口腔(こうくう)内カメラの世界シェア85%を誇るアールエフ社(本社・長野市)が開発したカプセル内視鏡(製品名Sayaka)はカプセル内のカメラが回転し、消化器官の壁面全体をくまなく撮影できる。
「進行方向に取り付けたカメラ画像はゆがんだ部分がどうしても出ます。カメラ側面を据え、回転させることで壁面全部を撮影する方法を思いついたわけです」(丸山次郎・同社社長)。
撮影枚数は毎秒30枚。消化器官全体で87万枚も撮れる。撮影した画像をコンピューター処理すると消化管を切り開いたように壁面の平面マップが見られる。コマ送りを早めれば動画としても再現できる。
「健康診断や人間ドックでも利用価値が高いと考えています。画像記録を残しておけば検査のたびにどこに異常があるかピンポイントに分かります」(同前)。
Sayakaは8月中にも欧州を中心に臨床試験に入る計画で、量産体制が整えば1個6000円程度の価格になる、という。
次世代型カプセル内視鏡では薬液の放出による治療など、いろいろな可能性が広がっている。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆安全性 消化管内の映像を記録すればカプセル内視鏡そのものは使い捨て。材質等の安全性はすでに確かめられている。頻度は低いが欧米の臨床例ではカプセルが長期間、体内にとどまることがある。消化管に狭窄(きょうさく)が起きている場合が多く、内視鏡による回収や腹腔鏡下手術など外科的処置が必要になる。妊婦、ペースメーカーを埋め込んでいる人などはカプセル内視鏡検査の適応外となっている。
July 15, 2006 08:51 AM
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