健康連載ブログ

2006年07月08日

この病気にこの名医Part2

【第177回】基底細胞がんの85%は顔に/虎の門病院大原国章部長

皮膚がんの治療(上)

 皮膚にできる代表的な皮膚がんには「基底細胞がん」「有棘(ゆうきょく)細胞がん」「メラノーマ(悪性黒色腫)」「パージェット病」がある。

 その中で最も多いのが基底細胞がん。表皮にできるがんで、表皮の中でも真皮に近いところにある基底細胞に性状が似ているところから、その名称がついた。「基底細胞がんは80~85%は顔にできます。ホクロに似ています」と言うのは、皮膚がん治療の第一人者、虎の門病院(東京・港区)皮膚科の大原国章部長。

 黒い小さなホクロのような基底細胞がんはゆっくり育つ。それが黒いのは細胞中に色素細胞のメラノサイトがあり、メラニンが作られているからである。「すべての基底細胞がんが黒いホクロとは限りません。ごくまれに肌の色と同じ基底細胞がんもあります」。

 基本的には以下のように育つ。黒い点のようなホクロが成長し、徐々に盛り上がり、ホクロの中央部がえぐれてきて、ただれる。「その段階になると、顔を洗ってタオルでふいたときに血液がつくことがあります。ダラダラ出血するのではなく、にじむ程度です」。
 基底細胞がんはその多くが転移しないものの、どんどん大きくなるので、やはり早い段階で手術する方が、手術はやりやすい。診察は「ダーモスコピー」で行われ、確定診断になる。

 手術を行うときには、もう1つ検査が加わる。それは「超音波(エコー)検査」。がん細胞の横の広がりと深さが分かるのである。「基底細胞がんは取り残すと再発しますので十分に切除します。が、正常な細胞をたくさん取る必要はありません。『必要にして、かつ十分』取ることがベストです。そして、エコーとともに、患部を触診することが大事です。コリッとしたタイプは患部の端から1ミリ離して切除し、浸潤がんは3ミリ程度離して切除します」。

 がんの大きさ、できている場所、患者の年齢を考えて手術方法が考えられる。小さい場合は「開放療法」で、切除後そのまま自然に治るのを待つ。次は切除部分をシワにそって目立たないように縫ってしまう方法。そして、患部が広い場合は「皮弁手術」。周囲の皮膚を移動させて縫い合わせる方法である。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆皮膚がんの名医
 ▼虎の門病院(東京都港区)皮膚科・大原国章部長
 ▼静岡県立がんセンター(静岡県長泉町)皮膚科・清原祥夫部長
 ▼社会保険中京病院(名古屋市南区)皮膚科・臼田俊和主任部長
 ▼岐阜大学医学部付属病院(岐阜市)皮膚科・神谷秀喜講師

July 8, 2006 10:20 AM

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