2006年07月21日
ハイテク医療最前線
【第10回】食事支援ロボットの価格40万円/芝浦工大システム工学部米田隆志教授
介護・医療支援(1)
今年3月、触覚センサー付きの介護ロボットがお目見えした。視覚、聴覚、嗅覚(きゅうかく)もある人間型ロボットだ。理化学研究所バイオ・ミメティックコントロール研究センターが開発し、人間を優しく抱き上げることを目指したものという。
RI-MAN(リーマン)と名付けられたこの介護ロボットは身長158センチ、体重100キロ。柔らかいシリコン素材を使い、腕と胸にある触覚センサーが圧力の強弱を感知、上体と腕の動きを制御して優しく抱き上げる。目(カメラ)で人の動きをとらえ、アンモニアやアルコールなど8種類のにおいを感じ取るセンサーも付いている。公開デモンストレーションでは声の指示で身長155センチ、体重12キロの人形を抱き上げている。
80年代から日常生活支援の介護・福祉システム開発に取り組んでいる芝浦工業大学システム工学部の米田(こめだ)隆志教授は、開発・実用化の現状について次のように話す。「移動支援、食事支援、介護支援、機能回復訓練用支援などいろいろな用途にわたって試作品が作られています。食事支援ロボットなどは実用化され、普及が期待されています」。
食事支援ロボットは手などに障害があり、介助者なしでは食事ができない人をサポートする。欧米では普及している。日本でもマイスプーン(セコム)と呼ぶ製品が02年から販売されている。B4サイズ程度のスペースに設置でき、アームの先に取り付けられた専用のフォークとスプーンが食べ物をキャッチして口元まで運ぶ。口元の位置を設定するだけで食べ物を自動検知してつかむ。スプーンに口をつけるとフォークはスライドして食べ物がスプーンだけに残るので食べやすい。価格は40万円ほど。レンタル方式(月額6100円から)もある。
2015年には65歳以上の人口が3300万人になると予測されている日本では介護・福祉面でのハイテク利用は大きな需要が見込まれる。冒頭の介護ロボットのように介助者を手助けするシステム開発も急速に進んでいる。
しかし「作ってはみたものの、という状況が今あらためて認識されています」と米田教授は言う。
【医学ジャーナリスト小野隆司】
◆癒やしのハイテク 介護・福祉ではメンタル面のケアも大事。ギネスブックに「世界で最もセラピー効果のあるロボット」と掲載されたアザラシ型ロボットのパオ(35万円)は、産業技術総合研究所が開発した。なでると喜んだり、無視すると怒ったりする。大学病院の小児病棟や介護老人施設などに導入されている。
July 21, 2006 09:04 AM
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