健康連載ブログ

2006年06月30日

この病気にこの名医Part2

【第169回】せきの時間帯で症状判別/川鉄千葉病院大森繁成元部長

風邪症候群(下)

 風邪は「風邪症候群」が正式名称。だが「風邪は万病のもと」といわれるように油断は禁物。あとで重病と分かった患者の多くが「風邪だと思っていたのに…」。悔しい言葉がついて出る。鼻腔(びくう)から咽頭(いんとう)までの上気道炎を起こして受診する患者に対し、診察は「問診」からスタート。風邪と思っても、その半分は別の病気ということが統計的に分かっているからである。

 ◆問診 「普通感冒(インフルエンザを別にする)の4分の1は2週間程度持続します。3週間を目安に、それ以上続く場合はほかの慢性疾患を疑います」というのは、呼吸器疾患を得意とする川鉄千葉病院内科の大森繁成元部長(8月上旬から千葉市花見川区の大森ファミリークリニック院長)。せきの症状だけを診ても、1日の中で病気によって大きな違いがある。「真夜中にせきが出るのは心不全に多く、早朝の場合はぜんそくが疑われます。起床時は副鼻腔炎(蓄膿症)。眠っていたときにたまった膿(うみ)が痰(たん)として出てきます」。

 また、どのようなことでせきの状態が悪化してしまうか。これも患者から様子を聞く。「冷気や運動でせきがよりひどくなるときはぜんそくが疑われます。食事をした後や前屈をしたときであれば逆流性食道炎も疑われます」。せきに伴う症状として、胸焼け、鼻汁、労作時呼吸困難、体重減少、血痰なども出ていることがある。「胸焼けは逆流性食道炎、鼻汁は後鼻漏(こうびろう)。労作時呼吸困難は心不全、体重減少・血痰は悪性腫瘍(しゅよう)も疑うことになります」。

 ◆診察所見 バイタルサインとして38度5分以上の発熱があると、季節的にインフルエンザのシーズンであれば、当然インフルエンザが疑われる。「お子さんならば溶連菌も疑います」。さらに、脈拍数1分間に100回以上、呼吸数が1分間に24回以上は肺炎が疑われる。このほか、咽頭の状態、頚部(けいぶ)リンパ節の腫れ具合、胸部聴診などから、普通感冒以外の肺炎などが疑われると「胸部エックス線検査」が行われる。「急性のせきで受診された患者さんの97%は胸部エックス線に異常はなく、約70%が急性気管支炎と診断されています」。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆風邪症候群の名医
 ▼中田クリニック(東京都千代田区)中田紘一郎院長
 ▼杏林大学病院(東京都三鷹市)第一内科・後藤元教授
 ▼桜みちクリニック(神奈川県小田原市)永武毅院長
 ▼奈良県立医科大学付属病院(奈良県橿原市)感染症センター・三笠桂一教授

June 30, 2006 08:59 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/5385