2006年06月13日
この病気にこの名医Part2
【第152回】血液集中、転移しやすい/東京医科歯科大付属病院木原和徳教授
腎臓がん(上)
腎臓がんは緩やかではあるが、確実に患者数、死亡者数ともに増えている病気。その数、年間約1万人、死亡者数は約4000人が現状である。患者数がピークとなるのは50代、60代で、男女比では2対1もしくは3対1で男性に多くなっている。
この腎臓がんには、特徴的な3つの症状がある。いわゆる「3大症状」といわれているもので(1)肉眼でも分かる痛みを伴わない血尿(2)脇腹の痛み(腰痛)(3)脇腹を触って分かるしこり(触診できる腫瘍=しゅよう)。さらに、発熱、貧血、高血圧、食欲不振、体重減少なども出てくる。
「大きなものは触診で触れますが、その状態で発見すると、通常かなり進んでいる状態です。昔は、がんが転移し、その転移したがんが先に発見されることもかなりありました」と話すのは、東京医科歯科大学医学部付属病院(東京・文京区)泌尿器科の木原和徳教授。事実、ちょっと転んだ程度なのに骨折し、整形外科で転移性骨がんが発見され、原発が腎臓がんと分かったり、血痰(たん)が出るので調べたら肺がんで、やはり原発が腎臓がんといったケースである。
加えて、血尿にしても、1、2回で止まってしまうこともあるし、脇腹のしこりに至っては、肋骨(ろっこつ)に隠れているので腫瘤(りゅう)としてかなり大きくならないと触れられない難しさがある。
腎臓がんが、骨、肺、そして肝臓に転移しやすいのは腎臓の働きにも一因がある。腎臓は背中側にある臓器で、腰の少し上あたりにあって左右に2つついている。腎臓の大きさは、成人で握りこぶし大で、そら豆のような形をしている。腎臓は血液をろ過して、体内で不要となった老廃物を尿として排出する。つまり、腎臓は血液の集中するところ。そこにがんがあると、血液中に入り込んで他臓器に流れて行きやすい。
「ただ、最近は無症状で発見されるケースが増えてきました。それは、画像診断の進歩、そして、人間ドックなどを受診される人が増えたからです」。今日では、無症状で腎臓がんの発見されるケースは50%を超えているといわれる。腎臓がんもこの段階で発見するのが大事である。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆腎臓がんの名医
▼札幌医科大学付属病院(札幌市中央区)泌尿器科・塚本泰司教授
▼東北大学医学部付属病院(仙台市青葉区)泌尿器科・荒井陽一教授
▼東京医科歯科大学医学部附属病院(東京都文京区)泌尿器科・木原和徳教授
▼癌研有明病院(東京都江東区)泌尿器科・福井巌部長
June 13, 2006 09:26 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/5141
