2006年06月09日
この病気にこの名医Part2
【第148回】細菌感染、アレルギーなどが原因/大和徳洲会病院望月高行部長
慢性副鼻腔炎(上)
「慢性副鼻腔(びくう)炎」という病名を聞いてもピンとこない人が多いだろうが、「蓄膿(ちくのう)症」といわれれば多くの人が知っている認知度の高い病気である。
そのポピュラーな病気も、国民の栄養状態の良さや抗生物質の進歩によって過去の病気になると思われていた。が、さにあらず。最近はアレルギー性のものなど、さまざまな原因の慢性副鼻腔炎が多くなり、決して消えゆく病気ではないようである。
「細菌感染やアレルギーなどによって副鼻腔の粘膜が腫れると、小さな自然口はふさがれてしまいます。そうなると新鮮な空気が出入りできなくなり、細菌が繁殖して膿(うみ)がたまってしまいます。これが副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症です」と話すのは、大和徳洲会病院(神奈川県大和市)耳鼻咽喉科の望月高行部長(横浜市立大学医学部非常勤講師)。
細菌感染としては「風邪をひいた後に起こることが多い」という。細菌感染が原因で急に起こるのが「急性副鼻腔炎」で、それが3カ月以上も続くと「慢性副鼻腔炎」といっている。
発症メカニズムをより正確に知るには、副鼻腔の働き、また、どのように副鼻腔が存在しているかを知る必要がある。
鼻は1日に約3万回も空気を吸い込んでいる。冬場は鼻の中で5度、湿度20%くらいの空気を、30度、湿度90%に加湿して肺へと送り込んでいる。さらに、粘液でホコリや細菌なども取り除いている。つまり、エアコンのような働きをしているのである。
鼻から吸った空気が鼻道を通って気管支に行く間に副鼻腔という鼻腔以外の空洞があり、少しずつ換気が行われているところも通る。その空洞は「上顎洞(じょうがくどう)」「篩骨洞(しこつどう)」「前頭洞(ぜんとうどう)」「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」。この空洞は小さな自然口で結ばれ、ホコリや細菌、ウイルスなどを線毛で捕まえて排出している。「この副鼻腔に炎症が起きると排出すべき物が排出できずに膿がたまり、『鼻汁』『鼻詰まり』の症状が出てきます」。
慢性化すると、それらの症状に「鼻茸(はなたけ)ができる」「頭痛」「においが分からない」といった症状までもが加わり、QOL(生活の質)を悪化させるのである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆慢性副鼻腔炎(内視鏡下副鼻腔手術)の名医
▼自治医科大学付属病院(栃木県下野市)耳鼻咽喉科・市村恵一教授
▼独協医科大学病院(栃木県壬生町)耳鼻咽喉科・春名真一教授
▼東京慈恵会医科大学病院(東京都港区)耳鼻咽喉科・森山寛教授
▼聖路加国際病院(東京都中央区)耳鼻咽喉科・柳清副医長
▼横浜市立大学付属病院市民総合医療センター(横浜市南区)耳鼻咽喉科・石戸谷淳一準教授
▼大和徳洲会病院(神奈川県大和市)耳鼻咽喉科・望月高行部長
June 9, 2006 10:29 AM
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