健康連載ブログ

2006年06月08日

この病気にこの名医Part2

【第147回】腰やひざなどのストレッチも/昭和大学藤が丘リハビリテーション病院筒井広明院長

五十肩の治療(下)

 肩が痛くて歯が磨けなければ顔も洗えない、ファスナーの上げ下げもできなければシャツを脱いだり着たりもつらい-。重症の五十肩。もちろん、軽症でもQOL(生活の質)は下がってしまう。40代、50代の人々に多い五十肩。その治療は「薬物療法」「安静」「運動療法」である。

 ◆薬物療法 痛みが強いときには、肩を動かせるはずはなく、痛みの原因である肩関節の炎症を抑えるのが第1である。炎症を鎮める「消炎鎮痛剤の内服」。患部に直接注射して強力に炎症を鎮めるのが「ステロイド薬」。同じく注射として「ヒルアロン酸ナトリウム薬」も使われる。「薬で痛みが軽くなったからどんどんトレーニングを強くしていくのは間違いです。痛みが軽くなったからといって炎症がおさまったのではなく、肩の機能が改善したわけでもありません」と、五十肩など肩の治療で有名な昭和大学藤が丘リハビリテーション病院(横浜市青葉区)整形外科の筒井広明院長は言う。

 ◆安静 激しい痛みが続いているときは、安静を守る。三角巾(きん)を使って肩患部を固定する。「固定するといっても、関節の内圧をアップさせたり、関節組織を擦ったり伸張させたりしない。左右の肩の高さを平行にし、力を抜くことで、関節組織に加わる機械的刺激を極力減らすのです」。

 ◆運動療法 痛みが和らいできたら、運動療法。運動療法の基本はリラクセーション。「肩周辺の筋肉からすっかり力を抜いて、肩関節を慢性的なストレス状態から解放します」。例えば「アイロン体操」があるが、あのアイロンを持たずに、腕をダラッと落としてその腕の重みを感じることが大事。これだけで肩関節、筋肉が伸び、内側の筋肉であるインナーマッスルが自然と収縮する。「さらに、腱(けん)板トレーニングとしては、テーブルにひじをつける姿勢で座って、ひじを支点にして腕を左右にゆっくり水平移動させる『テーブルふきトレーニング』。これが腱板にパワーをつけるのです」。そして、肩の故障は肩の問題だけではないことを知ろう。「全身の運動の連鎖なのです。肩以外の場所、例えば腰やひざなどのストレッチなども良い影響が出ることがあります」。効果を見ながらステップアップしていくと、若さを取り戻した治りに結び付く。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆五十肩の名医
 ▼広島大学病院(広島市)整形外科・望月由講師
 ▼細木病院(高知市)スポーツ整形外科・森沢豊部長
 ▼福岡大学病院(福岡市)整形外科・柴田陽三助教授
 ▼熊本大学医学部付属病院(熊本市)整形外科・井出淳二助教授

June 8, 2006 02:34 PM

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