2006年05月31日
この病気にこの名医Part2
【第139回】初期から全摘出も/東京医科大学病院高山雅臣名誉教授
子宮頸がんの治療(下)
子宮頸(けい)がんの治療は、妊娠を希望する人に対しては、病期の0期、1a1期では子宮の保存的療法が行われる。が、安全な手術で子宮頸がんの再発リスクを残さない方法を選択したい方には、0期から「単純子宮全摘出術」となる。
「子宮のみを手術で摘出する方法です」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)産科・婦人科の高山雅臣名誉教授が言うように、子宮頸がんでは初期から子宮全摘になってしまう。1a1期も同様の手術。これが1a2期を超えて2期までは「広汎(こうはん)子宮全摘出術」となる。
●1a2期 がんの浸潤の深さが3ミリを超えるものの、5ミリまでにとどまっている。広がりは7ミリを超えない。
●1b期 がんが子宮頸部に限局して、肉眼的に明らかな病巣となっている。もしくは、病巣が肉眼的に明らかではなくても、1a期を超えるケース。
●2期 がんが子宮頸部を超えているが、腟(ちつ)壁下から3分の1を超えていないし、骨盤壁にも達していない。
1a2期から2期に対応する広汎子宮全摘出術は子宮のみならず、膣も3センチ程度は切除してしまう。加えて、骨盤内のリンパ節はすべて郭清する。「近くに尿管、膀胱(ぼうこう)、直腸などがあり、大事な神経も通っています。慎重に手術は行われます」。
さらに、がんの浸潤が骨盤壁にまで達してしまった子宮頸がんの3期、膀胱・直腸粘膜にまでがんが広がったり、小骨盤腔を超えてがんが広がっている4期になると、「手術」「化学療法」「放射線療法」の組み合わせで対応する。
「3期までであれば『ネオバンド療法』といって、手術前に化学療法を行ってから手術を行います。また、3期、4期は米国では放射線が効くというので治療の中心になっています。日本では放射線と化学療法の組み合わせ、もしくは化学療法の単独です」。
化学療法では、数種類の抗がん剤を併用する「多剤併用療法」が行われている。最も新しい組み合わせとして「塩酸イリノテカン+シスプラチン」「塩酸イリノテカン+マイトマイシン」「パクリタキセル+カルボプラチン」が行われる。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆子宮頸がんの名医
▼兵庫県立成人病センター(兵庫県明石市)婦人科・西村隆一郎部長
▼和歌山県立医科大学付属病院(和歌山市)婦人科・梅咲直彦教授
▼四国がんセンター(愛媛県松山市)婦人科・日浦昌道手術部長
▼国立病院機構九州がんセンター(福岡市南区)婦人科・塚本直樹院長
May 31, 2006 07:44 AM
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