健康連載ブログ

2006年05月30日

この病気にこの名医Part2

【第138回】見出し/東京医科大学病院高山雅臣名誉教授

早期発見で術後に妊娠可能

 子宮頸(けい)がんの検査で診断がつくと、その病期によって患者と医師が十分に話し合って治療方法が決定される。

 「若年化傾向があるので、妊娠中に子宮頸がんが発見されるケースも出てきましたし、子宮頸がんの治療後にも赤ちゃんが欲しいと言われる方も多くなりました。私どもは可能な限り患者さんの希望に沿ってあげたいと考えています」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)産科・婦人科の高山雅臣名誉教授は言う。

 「子宮頸がんの若年化」によって生まれた「赤ちゃんを産みたい」という問題。この希望に応えられる範囲は、病期分類の0期から1a1期までの初期と早期の段階である。

 ●0期 がん細胞が粘膜の上皮内にとどまっている状態。

 ●1a1期 子宮頸部にがんがとどまり、深さが3ミリ以内で、広がりが7ミリを超えない。

 「妊娠を望む方は、子宮の保存療法の『光線力学的治療』か『円錐(えんすい)切除術』が行われます」。

 ◎光線力学的治療(PDT) 光感受性物質を患者の静脈に注射し、48~72時間待って光感受性物質ががん細胞に取り込まれたころに、特殊なレーザーを照射すると、活性酸素が発生してがん細胞だけをたたいてしまう、治療時間は40~50分程度。何より患者にとってうれしいのは、子宮温存のみならず、麻酔をかける必要がない点である。ただし、治療後3週間は真っ暗な部屋で過ごすことや光を遮断する服装が義務付けられる。「光感受性物質を使っていますので、光があたるとやけど状態になるからです」。

 ◎円錐切除術 多くの医療機関で行われている。子宮頸部の一部を切り取る方法で、今日では「KTPレーザー」を使う場合と、高周波の「LEEP法」を行う場合がある。KTPレーザーは、組織変性が少なく病巣がきちっと取れたか否かの判定がしやすい。一方、LEEP法はループ形の装置が先端に付いた器具に高周波を流して円錐切除する。出血はほとんどない。手術時間は麻酔時間も入れて30分で終了。施設によっては日帰りで行っているところもある。

 このように、初期・早期に発見できると子宮を温存できるのである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆子宮頸がんの名医
 ▼愛知県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)婦人科・中西透部長
 ▼京都大学医学部付属病院(京都市左京区)産科婦人科・藤井信吾教授、高倉賢二助教授
 ▼大阪府成人病センター(大阪市東成区)婦人科・上浦祥司部長
 ▼近畿大学医学部付属病院(大阪府大阪狭山市)産婦人科・星合昊教授
 ▼大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)産科婦人科・榎本隆之講師

May 30, 2006 09:53 AM

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