2006年05月28日
この病気にこの名医Part2
【第136回】性行動の若年化が関連/東京医科大学病院高山雅臣名誉教授
子宮頸がん(上)
女性特有のがんの1つに子宮がんがある。年間5500人の死亡者があり、ほぼ横ばい状態を示している。
子宮がんは子宮の粘膜にできるがんで、そのできる場所によって2つに分けられる。子宮の入り口付近(子宮頸部=けいぶ)にできるのが「子宮頸がん」、子宮の奥(子宮体部)にできるのが「子宮体がん」である。「その比率は8対2で圧倒的に子宮頸がんが多いのです。これが早期発見に結び付いているのです」と言うのは、東京医科大学病院(東京・新宿区)産婦人科の高山雅臣名誉教授。
今回は圧倒的に患者の多い子宮頸がんを取り上げる。子宮頸がんを発症する患者は30代から増え、40代、50代がピークとなるが、最近は20代でも発見されるようになってきた。「性行動の若年化が関連があるようです」と、高山名誉教授は指摘する。
子宮頸がんの原因がヒトパピローマウイルス(HPV)と分かってきたからである。性交渉の経験のある女性の20~30%は腟内に持っている。そこで、今日ではHPVの感染の有無のみならず、ウイルスの型を調べるDNA診断を行っている医療機関がある。「HPVの中のがん化リスクの高い型がいくつか挙がっていましたが、ここへきて、ほぼ16型と18型で確定というところまできています」。
HPV16型や18型に感染しているのが判明した場合には、その後、定期検診をしっかりと行い、がんをより早くキャッチするようにしていくことになる。もちろん、すべてが確実に子宮頸部の細胞に変化をもたらすのではないが、10%程度は前がん病変の異形成を生み出す。そして、高度の異形成に進むと、次に「上皮内がん」となる。逆に、子宮頸がん患者の約90%からHPV16、18型が発見されている事実がある。
DNA診断はまだまだごく一部でしか行われていないので、早期発見の基本は子宮頸がん検診を受けることである。子宮頸がんは初期段階では症状がないので、不正出血などで気付く前に、しっかりと検診を受け、早期発見に結び付けるべきである。
◆ヒトパピローマウイルス イボをつくるウイルスの仲間がヒトパピローマウイルスで、その種類は約100といわれている。そのうちの40種が性交渉で感染するが、免疫力が強いとウイルスは排除される。排除できずに感染するとがんの原因に-。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆子宮頸がんの名医
▼北海道大学病院(札幌市北区)婦人科・桜木範明教授
▼東北大学医学部付属病院(仙台市青葉区)産科・婦人科・八重樫伸生教授
▼筑波大学付属病院(茨城県つくば市)産科婦人科・吉川裕之教授
▼自治医科大学付属病院(栃木県南河内町)産婦人科・鈴木光明教授、大和田倫孝助教授
▼東京医科大学病院(東京都新宿区)産科・婦人科・中村浩講師
May 28, 2006 09:48 AM
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