健康連載ブログ

2006年05月25日

この病気にこの名医Part2

【第133回】問診、視診、触診で3段階分類/大和徳州会病院中村勝利部長

多汗症(下)

 手のひら、足の裏などに常に汗をかく「多汗症」。患者は「握手ができない」と悩むだけでなく、さまざまに悩み苦しむ。引きこもりになったりと大きな精神的ダメージを受けている人も少なくない。

 「音楽家にとっては、楽器を持つ手が汗で滑ってうまく演奏できないというのは大きな問題ですし、美容師さんであればハサミが滑ってうまく使えない、という悩みもあります」と、患者さんの悩みを伝えるのは、大和徳洲会病院(神奈川県大和市)心臓血管外科の中村勝利部長。その多汗症の診察は、問診、視診、触診で診断がつく。

 ●問診、視診、触診 「何歳から汗が出ていたか」「1年間で汗の変動はあるか」「汗の量の多いときはどんな状態か」など、詳しく話を聞く。「1年中汗をかいている人もいますし、夏場が強くなるという人もいます。患者さんそれぞれの状態を聞くとともに、それがいかに生活の質を下げているか、精神的ダメージになっているかまで、把握するようにしています」。そして、目で、手で触って汗の状態を確認する。これを総合して以下の3段階に分類する。

 ★グレード1 手は汗で湿っているものの、光の反射を利用してよく見ないと汗ばみが分からない程度。

 ★グレード2 手のひらの汗ばみがはっきり見える。水滴までも見えるが、水滴が滴り落ちるほどではない。

 ★グレード3 手のひらに汗の水滴ができ、汗が滴り落ちる状態。

 以上のグレードにすべてがピタリと当てはまるとは限らない。「グレードが1と2の中間とか2と3の中間といった分類もします」。患者の多汗症の重症度が客観的に分かればいいのである。ただし、グレード=治療が決定とはいかない。

 「グレード3でも、可能性として手荒れすることはあっても、皮膚がんになるといったことはありません。これを患者さんに話しただけで『それならこのままでいいです』と言って帰られた人もいらっしゃいます」。治療は患者本人の「悩みの大きさ」に強く関係するのである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆多汗症の名医
 ▼昭和大学病院(東京都品川区)麻酔科・増田豊 教授
 ▼山本兼平クリニック(東京都渋谷区)山本英博医師、兼平暁夫医師
 ▼大和徳洲会病院(神奈川県大和市)心臓血管外科・中村勝利部長
 ▼金沢循環器病院(石川県金沢市)心臓血管外科・上山武史顧問

May 25, 2006 10:10 AM

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