2006年05月21日
この病気にこの名医Part2
【第129回】原因突き止め治療へ/日大歯科病院後藤実助教授
口臭症(下)
「口が臭い」-この状態を過剰に気にしてしまうのが「口臭症」。これには「他臭症」と「自臭症」がある。違いを日本大学歯科病院(東京・千代田区)口腔(こうくう)診断科の後藤実助教授は、次のように言う。「他臭症は他人から口臭を指摘されて過剰に気になり始めたもの。自臭症は周囲の人は気付かないのに、自分は口臭がすると悩むケースです」。
問題となる口臭の原因は大きく分けて以下の5点が指摘されている。
(1)虫歯 虫歯が欠けたりすると、虫歯の周辺には食べ物のカスが残り、それが発酵して口臭を引き起こす。
(2)歯周病 歯周炎を起こして歯肉から出血していると、その血のにおいが口臭に結び付く。また、歯石やプラーク(細菌叢=そう)による口臭もある。
(3)歯の根尖(こんせん)の病気 歯の根ともいえる根尖部に病巣ができ、うみが出る状態になると、腐敗臭が口臭となる。
(4)舌苔(ぜったい) 舌の上の白色や黄色の軟らかな苔(こけ)状のものを舌苔という。「若い方々にはほとんどみられません。中・高年になり、唾液(だえき)量が減ってくると舌苔が増えてきます」。その舌苔による口臭。加えて、シスチンという細胞も舌苔のにおいに関係する。「ほおの内側は弾力がありますが、本当は硬い細胞のシスチンでできています。それが新陳代謝ではがれ落ちて舌苔にくっつくと、それも口臭を引き起こす、と私は考えています」。
(5)鼻、消化器などの病気 鼻腔や副鼻腔といった耳鼻科疾患、咽喉(いんこう)頭の疾患、胃の疾患、肺の疾患、便秘といった大腸の疾患など、口腔内以外の病気が口臭に結び付く。「涙が減少する、唾液が減少する、その他の粘液の分泌も減少する自己免疫疾患の1つ、シューグレン症候群が原因で口臭が発生するケースもあります」。
口臭症の場合、まずは口臭の原因をしっかりと突き止めることが重要。その正しい診断から治療へと進んでいくのである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆口臭症の名医
▼東京医科歯科大学歯学部付属病院(東京都文京区)頭頸部心療科・小野繁教授
▼東京女子医科大学病院(東京都新宿区)歯科・口腔外科・扇内秀樹教授
▼福岡大学病院(福岡市城南区)歯科口腔外科・豊福明講師
May 21, 2006 10:49 AM
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