2006年05月17日
この病気にこの名医Part2
【第125回】超音波検査で納得して手術へ/執行クリニック執行友成理事長
鼠径ヘルニア(下)
鼠径(そけい)ヘルニア、いわゆる脱腸は太ももの付け根の鼠径部の皮下に、内臓の小腸などが脱出して膨れる疾患。日本人には100人に1人、この疾患があるといわれている。が、手術自体は年間約15万件である。「ちょっと出てもすぐに戻るので、そのままにしている方が多いのだと思います」とは、年間330例の鼠径ヘルニア手術を行っている執行クリニック(東京・新宿区)の執行友成理事長。
ただし、脱出した小腸が戻らず、脱出部の孔(あな)が小腸を締め付け、小腸への血流がストップして小腸が腐ると生死にかかわってしまう。このような嵌頓(かんとん)ヘルニアを起こさないためには-。「鼠径ヘルニアの治療には薬物療法はありません。手術が唯一の治療法です」。
日常生活に支障がない場合、多くの人は放置しているが、嵌頓ヘルニアのケースも起こり得るので、手術が勧められる。が、手術と思うと受診しようという気持ちが後退する人も多い。「それは、患者さんへの説明不足です。鼠径ヘルニアは良性疾患です。がんを得意とする医師の中には、良性疾患はどうでもいい、と考えている人がいるんです。実は、良性疾患だからこそ、より十分に説明をする必要がありますし、それで患者さんが十分納得されてこそ、手術という道を歩むわけです」。
そのためにも、まずは受診が第1歩。この場合、一般外科を受診する。診察は、まずは問診、視診、触診が行われる。「いつから」「どのようなときに脱出するか」など、状況を聞くとともに、今の状態を目で見て、手で触れて確認する。「これで診断はつきますが、患者さんに納得していただくためと、手術の方法を決めるために超音波検査を必ず行い、患者さんにもその画像をみてもらいます」。
◆超音波(エコー)検査 鼠径部に超音波が通りやすいようにゼリーを塗って超音波発信器のプローベを滑らせていく。そして、超音波の反射波(エコー)を受け、その画像化したものをモニターで見て行う検査。脱出物の状況がはっきりと確認できる。「これで患者さんにも納得していただけます」。
さらに、巨大な鼠径ヘルニアではCT(コンピューター断層撮影)検査も行われるが、これは極めてまれである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆鼠径ヘルニアの名医
▼湘南厚木病院(神奈川県厚木市)篠崎伸明院長
▼湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)外科・渡部和巨部長
▼いまず外科(名古屋市西区)今津浩喜院長
May 17, 2006 09:44 AM
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