2006年05月15日
この病気にこの名医Part2
【第123回】薬物中心、2~5年服用/西新宿プラザクリニック出村博院長
バセドー病の治療(下)
「動悸(どうき)・発汗・手の震え」「眼球突出」「やせる」-甲状腺疾患のバセドー病の3大症状である。この症状に気付いて内分泌内科を受診し、診断がつくと治療に入る。バセドー病の治療は「薬物療法」「放射線ヨード療法」「手術療法」が行われている。「患者さんは20代、30代といった若い女性が多いとあって、首に傷をつけないためにも、薬物療法が中心になります」と、日本内分泌学会の元理事長で西新宿プラザクリニック(東京・新宿区)の出村博院長(東京女子医大名誉教授)は状況を話す。
◆薬物療法 使われるのは抗甲状腺薬。甲状腺ホルモンの生成を抑える薬で、経口薬のみである。基本的に2~5年間服用する。「その期間で寛解する人も結構いらっしゃいますが、その一方で、20~30年も薬を服用し続けるケースもあります」。副作用としては「発疹(ほっしん)」や「じんましん」がある。副作用で最も注意が必要なのは免疫力が低下する「無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)」。医師から十分に説明をされるので、副作用に気付いたら、すぐに受診する。1~2カ月に1度は受診して検査を行っていくが、1年たってから副作用の出る人もいる。
◆放射線ヨード療法 甲状腺は血液中のヨードを取り入れて甲状腺ホルモンを作る。この甲状腺の特徴を利用した治療法である。放射性物質とヨードをくっつけた放射性ヨードのカプセルを服用。すると、甲状腺に取り込まれ、甲状腺細胞は放射線でたたかれてしまう。「大量に細胞をたたくと機能低下になり、少量ではバセドー病が治りません。ぴったりのところにもってくるのは難しいのです。特に日本人は核に対する拒否反応が強いので希望される方が少ないですね。米国ではこの方法でたたいて機能低下症になれば、薬で補うようにしています」。
◆手術療法 手術は腫れた甲状腺を切除する。手術の適用は「薬の副作用が強い人」「甲状腺の腫れが重度の人」など。甲状腺機能は正常化するものの、切除し過ぎると機能低下症になることも十分に知っておく必要がある。
「どの治療を選択するかは、主治医と十分に話し合うことが大事です。治療中は甲状腺ホルモンが正常になります。これまでのように食べていると太ってしまいます。それは注意してください」。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆バセドー病の名医
▼隈病院(神戸市中央区)宮内昭院長
▼鳥取大学医学部付属病院(鳥取県米子市)第1内科・重政千秋教授
▼野口病院(大分県別府市)野口志郎院長
May 15, 2006 10:07 AM
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