健康連載ブログ

2006年05月10日

この病気にこの名医Part2

【第119回】GTRとエムドゲイン法/スウェーデンデンタルセンター弘岡秀明院長

歯周病の治療(下)

 歯肉炎から始まって、重症になると歯を支えている歯槽(しそう)骨がどんどん退縮していく歯周病。最後はグラついた歯が支えを失って抜けていく。スケーラーでバイオフィルム(細菌叢=そう=を表すプラークのこと)や歯石を除去。それで対応できないときは歯肉を切開して治療を行うことになる。そして、その後はしっかりと歯磨きを行うことで再発を抑え、定期的に歯科でのチェックも行う。

 ところが、歯槽骨がすっかり退縮してしまっていると、オーソドックスな治療では全く歯が立たない。その場合の方法を、歯周病治療の第一人者であるスウェーデン デンタル センター(東京・千代田区)の弘岡秀明院長は、次のように言う。「歯槽骨を再生しない限り、歯は抜けます。その再生治療としては『GTR法(組織誘導再生法)』と『エムドゲイン法』の2つが行われています」。

 ●GTR法 スウェーデンのイエーテボリ大学で開発され、日本では高度先進医療の対象として、東京医科歯科大、東京歯科大、日本歯科大、鹿児島大などで行われている。治療方法は、まず歯肉を切開して歯石除去などを行い、患部を清潔にする。次に、歯肉と歯槽骨との間に「自然吸収される膜」を入れ、歯槽骨を覆うように保持させる。さらに、歯肉もその上に覆うようにし、もともとの歯肉の高さで縫合糸を使って縫い合わせる。それ以降、1週間ごとに患部が清掃され、4~6週間後には歯周組織はでき始め、半年後には完全に歯槽骨などの歯周組織は再生してしまう。

 ●エムドゲイン法 歯ができ、歯根ができるときにある種のたんぱく質が分泌され、そのたんぱく質の誘導で歯周組織ができる。エムドゲインとはそのたんぱく質で、ブタの歯の周囲から抽出されたもの。これもスウェーデンで開発された。歯肉を切開し、歯石を除去した後、ゲル状のエムドゲインを患部に塗って歯肉を縫合する。歯周組織の再生はエックス線を撮ってみていく。およそ6カ月で再生する。

 「両方法とも、しっかり口腔(こうくう)衛生が保持できる患者さんと歯科医であって初めてできる。これを忘れないでほしいと思います」と、弘岡院長は忠告を忘れない。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆歯周病の名医
 ▼日本大学歯学部付属歯科病院(東京都千代田区)歯周病科・伊藤公一教授(病院長)
 ▼九州歯科大学付属病院(北九州市)歯周病科・横田誠教授
 ▼長崎大学医学部歯学部付属病院(長崎市)虫歯・歯周病治療室・原宣興教授

May 10, 2006 09:25 AM

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