健康連載ブログ

2006年05月09日

この病気にこの名医Part2

【第118回】歯肉より上は患者の責任/スウェーデンデンタルセンター弘岡秀明院長

歯周病の治療(上)

 歯周病の検査が行われ、歯周病と診断されると、治療に入る。が、すべて歯科医だけが行うのではない。「歯肉より上は患者さんが責任を持って磨いていただき、歯肉より下は歯科医が責任を持ちます。一緒に協力して治療に歩み出す必要があります」と、スウェーデン デンタル センター(東京・千代田区)の弘岡秀明院長は言う。

 実際に、それが歯周病治療に役立つと、科学的根拠が示されている。

 1984年、スウェーデンのアニタ・バーダー・シュタイン博士が歯肉が腫れ、出血している歯周病患者に、3カ月間歯磨き指導を行った。しかし、指導のかいなく患者の歯肉縁下バイオフィルム(細菌叢=そう=を表わすプラークのこと)はほとんど減少しなかった。

 そこで、今度は患者の歯肉縁下バイオフィルムとその死がいが石のように硬くなった歯石を除去。すると、歯肉縁下バイオフィルムがガクンと減少するとともに、歯肉の炎症も治ってしまった。「歯肉より下は歯科医が責任を持つ必要があるのです。だから、歯石もバイオフィルムも取り除くのです。もちろん、歯石が歯周炎を引き起こすのではありません。歯石があるとバイオフィルムが付きやすいからです」。

 バイオフィルムとともに歯石を取り除くには、スケーラーという器具を使う。削り取る形になる。奥深いところを削るには痛みが生じるので、局所麻酔をかけて行う。今日ではスケーラー以外に、超音波で刃の先端を振動させて歯石を除去する「超音波スケーラー」も使われている。

 そして、重症になると、歯肉を切開して歯石を除去する外科的治療が行われる。そのとき、補助的に抗生物質・メトロニタゾールが使われる。「最初から使うのではありません。スケーラーで歯石やバイオフィルムを取り残したと思われるときに、メトロニタゾールを使います」。

 あとは患者自身がバイオフィルム・コントロールをいかにしっかり行っていけるか、である。十分にコントロールできない患者に対しては、定期的に歯科衛生士による歯磨き指導とバイオフィルム・コントロールを行う。これを行わないと、治療後4週間で元のもくあみになることが研究で分かっているからである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆歯周病の名医
 ▼ドルフィン歯科(千葉県佐倉市)中原達郎院長
 ▼古賀テクノガーデン歯科(千葉市美浜区)古賀剛人院長
 ▼スウェーデン デンタル センター(弘岡歯科医院)(東京都千代田区)弘岡秀明院長
 ▼昭和大学歯科病院(東京都大田区)歯周治療科・山本松男教授

May 9, 2006 09:24 AM

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