健康連載ブログ

2006年05月07日

この病気にこの名医Part2

【第116回】細菌による感染症/スウェーデンデンタルセンター弘岡秀明院長

歯周病(上)

 歯を失う原因は虫歯と歯周病。これが2大疾患だが、歯磨きの徹底や早期治療で虫歯で歯を失う人が減少し、歯周病で歯を失う人が最も多くなった。

 「どちらも細菌による感染症です」と言うのは、スウェーデン デンタル センター(東京・千代田区)の弘岡秀明院長。「歯につく細菌は15年前は350種、10年前には450種に増え、今では600種に増えました。正確には増えたのではなく、これまでもいたのですが、より詳しく分析できるようになったということです」。

 口の中は細菌にとって格好のすみか。十分な水分と適度な温度、さらに栄養も十分とあって、まさに〝細菌天国〟。その中に虫歯菌もいれば歯周病菌もいる。

 歯を失う最大原因、歯周病は以下のような流れで進行していく。歯の周囲についたバイオフィルム(細菌叢=そう=を表わすプラークのこと)は歯の面に沿って下へ下へと降りていく。「歯周病菌は空気を嫌うので歯と歯肉の間を下へと入っていきます。そして、バイオフィルムの出す毒素で、まずは歯茎に炎症が起こります」。

 この炎症は人間が体を守ろうとする免疫反応。細菌と闘う細胞(白血球等)がここに集合するために血管は太く壊れやすくなり、出血も起きやすいのである。「これが歯肉炎の状態です」。いわゆる歯周病の第1段階。ここで抑えないと、さらに悪化する。

 バイオフィルムは進行し、毒素はどんどん増える。体を守るために歯が埋まっている歯槽骨(しそうこつ)は退く。「この状態は歯周炎、いわゆる歯槽膿漏(しそうのうろう)症。さらに歯が埋まっている歯槽骨が退いてしまうと、歯を支えきれなくなって、歯は抜け落ちてしまいます」。

 原因は3点。
 (1)生まれつき歯を支えている組織が歯周病菌に対して弱い。
 (2)歯と歯茎の防御機能が弱かった時期がある。
 (3)約十数種類の歯周病菌をすみやすくしている(バイオフィルム・コントロールが悪い)。

 患者自身がすぐに対応できるのは∧3∨のみで、これも歯科医や歯科衛生士と共同作業となるところも含まれている。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆歯周病の名医
 ▼北海道医療大学病院(札幌市北区)歯周病科・古市保志教授
 ▼サッポロインプラントセンター(札幌市中央区)舘山佳季院長
 ▼いのまたデンタルクリニック(仙台市青葉区)猪俣祐士院長
 ▼新潟大学医歯学総合病院(新潟市)歯科・吉江弘正教授

May 7, 2006 08:36 AM

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