健康連載ブログ

2006年05月04日

この病気にこの名医Part2

【第113回】更年期障害と似た症状/日大板橋病院村上正人科長

線維筋痛症(下)

 全身のあちらこちらの筋肉や関節に痛みが生じる「線維筋痛症」。痛みの度合いには差があり、重症のケースともなると、体にちょっと触れただけでも飛び上がるほどだという。

 「このような状態のときには、これまでであれば何ともない動きなのに痛みが生じてしまうこともあります。例えば、普段行ってきた体操で痛みが生じる、電車が駅に入り、ブレーキをかけて止まるときに、立っていて体が前に行かないように踏んばったら足に痛みが生じた、などさまざまです」と、日本大学医学部付属板橋病院(東京・板橋区)心療内科の村上正人科長は言う。

 基本的な原因不明の痛みに、さらに痛みが加わるのだから、つらい。「痛みの度合いによっては家事もままならなくなり、また、会社へも行けなくなるというように、日常生活や仕事に支障が出てしまいます」。症状は痛みのみならず、痛みに関連して起こるものなど多くの合併症状にも苦しんでいる人が多い。

 「環境や状況の変化・心理的ストレスで病態が影響を受けるといった心身症(ストレスが原因となって身体疾患を起こす病気の総称)の側面を持っている病気です。だから、さまざまな合併症状が起こるのです」。

 村上科長は多くみられる「身体症状」として以下を挙げた。

 ●睡眠障害 眠っているときには無意識のうちに寝返りをうつ、そのたびに激痛が全身を走るので眠れず、不眠症に陥ってしまう。
 ●頭痛 痛みが痛みを呼ぶといったように頭痛が起こりやすい。
 ●下痢 痛みによるストレス状態が強く、下痢を起こす人が多い。
 ●月経異常 月経困難症を起こしやすい。
 次に「精神症状」として以下が挙げられる。
 ●抑うつ、いらだち、焦燥感、疲労感、気力減退など。

 「更年期障害とよく似た症状も多いのです。患者さんたちは痛みの原因が分からないから不安が強いのです。正しく診断がつくだけでも不安が軽減されることになります」。長引く全身の痛みの場合は、線維筋痛症も疑ってみる必要がある。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆線維筋痛症の患者の年齢と性別 04年厚生労働省線維筋痛症研究班による調査では、患者の83%が女性、年齢では50代をピークにして10代から80代にみられるが、多いのは30~70代である。

 ◆線維筋痛症の名医
 ▽聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター(川崎市宮前区)西岡久寿樹センター長
 ▽安曇総合病院(長野県池田町)整形外科(心療内科)・谷川浩隆副院長
 ▽浜松医科大学付属病院(静岡県浜松市)心療内科・永田勝太郎講師

May 4, 2006 10:26 AM

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