健康連載ブログ

2006年05月26日

この病気にこの名医Part2

【第134回】手術以外の方法90%/大和徳州会病院中村勝利部長

多汗症の治療(上)

 手のひらや足の裏などにベタベタ汗をかく「多汗症」。その患者数は推定で人口の3~4%といわれているので、約350万人から500万人も悩める人がいる計算になる。

 多汗症の診断がつくと、患者と十分な話し合いの上、治療方法を決めていく。治療には「薬物療法」「制汗剤」「イオントフォレーシス」「交感神経ブロック」「胸腔(きょうくう)鏡下交感神経切除術」がある。「多汗症と診断された人の10%が手術の胸腔鏡下交感神経切除術を受けられます。90%の人は手術以外の方法で、中には治療をしない方もごく少数ですがいらっしゃいます」と、数多く多汗症の治療、手術を行っている大和徳洲会病院(神奈川県大和市)心臓血管外科の中村勝利部長は言う。

 ●薬物療法 神経遮断薬、自律神経調整薬、抗不安薬が使われる。神経遮断薬の「プロバンサイン」は胃潰瘍(かいよう)と多汗症の適応薬で、交感神経の伝達経路を遮断して汗を止める。同時に唾液(だえき)も止まるので副作用として、のどが渇くことがある。自律神経調整薬の「グランダキシン」は、自律神経失調症などに使われる薬。多汗症では交感神経が優位なので、それを抑える。抗不安薬の「デパス」や「セルシン」は不安の強いケースに使われる。「3つの薬を患者さんの訴えを聞きながら、うまく組み合わせていきます。症状が最も強いグレード3の患者さんで、汗が抑えられて手術を必要としない人もいらっしゃいます」。

 ●制汗剤 アルミニウム配合の外用薬を使う治療。塗り薬を手のひらや足の裏に塗って寝る。起床時に洗い落とすとしばらく汗が抑えられる。「汗の穴にアルミが詰まって発汗を抑えるのです」。

 ●イオントフォレーシス 「ドライオニック」という機器を使う。水道水を入れた容器に手のひらを浸す。そこに微弱電流が流れる。アルミと同じ作用でイオンが汗の穴に入って発汗を抑える。「80%の人に効果がありますが、やめると2~4週間後には、また汗が出るようになります。これはアルミニウム配合外用薬も同じです」。ドライオニックは家庭用も販売されているので、それがあると週に数回の通院がなくなる。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆多汗症の名医
 ▼国立病院機構豊橋医療センター(愛知県豊橋市)心臓血管外科・松本興治院長
 ▼兼平山本クリニック(大阪市淀川区)兼平暁夫医師、山本英博医師
 ▼シミズクリニック(兵庫県西宮市)清水唯男院長

May 26, 2006 10:16 AM

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