健康連載ブログ

2006年05月19日

この病気にこの名医Part2

【第127回】手術の85%占めるメッシュ法/執行クリニック執行友成理事長

鼠径ヘルニアの治療(下)

 鼠径(そけい)ヘルニア、いわゆる「脱腸」の治療は手術しか対応策がない。手術には「従来法の手術」「腹腔(ふくくう)鏡下手術」「メッシュ法」と、大きく分けると3種類になる。が、その中核となっているのは「メッシュ法」。全世界の鼠径ヘルニア手術の90%を占め、日本でも85%をも占めている。

 「再発率が全世界の統計で3%と極めて低い。従来法の手術が15%の再発率ですから、その好成績が分かっていただけると思います」と、鼠径ヘルニア手術を年間に330例も行う執行クリニック(東京・新宿区)の執行友成理事長は言う。

 好成績以外にもメリットは数多い。

 ▼手術時間が15~20分と短い。
 ▼全身麻酔ではなく、局所麻酔で行える。
 ▼手術創が3~4センチ程度と小さい。
 ▼術後の痛みが軽い。
 ▼医療機関によっては日帰り手術も行える。

 「メッシュ法」には「リヒテンシュタイン法」「メッシュ&プラグ法」「クーゲル法」「PHS(プロリン・ヘルニア・システム)」などがあるが、多く行われているのは「メッシュ&プラグ法」と「クーゲル法」である。

 ◆メッシュ&プラグ法 ポリプロピレン製のメッシュのシートと、それで作られたバドミントンの羽根のような形のプラグを使う。脱出した腹膜から成るヘルニア嚢(のう)を押し戻し、その孔(あな)にフタをするようにプラグを入れ、さらに鼠径管内にシートを入れて補強する。これで皮膚を縫合すると終了する。「切開部分が小さくても、きっちり患部を確認して治療ができるので、私の場合は再発率0・8%と良好です」。

 ◆クーゲル法 メッシュ&プラグ法は患部にメスを入れるがクーゲル法は患部のそばにメスを入れる。そして、患部の筋肉と腹膜の間に形状記憶のメッシュのシートを入れる。あとは皮膚を縫合して終了。「メッシュのシートを患部を目で確認することなく筋肉と腹膜の間に入れます。だから、この治療を100例以上は行わないと再発率が高くなる点が問題としてあります」。

 とまれ、メッシュ法を受ける場合も十分な説明を受け、納得できて初めて受けるべきである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆鼠径ヘルニアの名医
 ▼広島市立舟入病院(広島市中区)外科・津村裕昭部長
 ▼勝本外科日帰り手術クリニック(北九州市小倉北区)勝本富士夫院長
 ▼佐田病院(福岡市中央区)佐田正之院長

May 19, 2006 11:47 AM

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