2006年05月05日
この病気にこの名医Part2
【第114回】全身18カ所中11カ所痛いと/日大板橋病院村上正人科長
線維筋痛症の治療(上)
原因不明の痛みが全身のあちらこちらの筋肉や関節に生じる「線維筋痛症」。原因は分からないものの、痛みが生じた背景が多少分かってきた。日本大学医学部付属板橋病院(東京・板橋区)心療内科の村上正人科長によると「出産、外傷といった身体的負担が原因となって発症するケースが多いこと。また、社会生活的ストレスによって発症するケースも多いことが分かってきたのです」。
原因が分からないと不安は大きくなる。そこで、まずは正しい診断が重要。それだけでも不安は軽減され、それが症状を多少は改善に向けることもある。
痛みがあるので患者の多くは整形外科やリウマチ科を受診することが多い。最近はそれらの診療科でも線維筋痛症が知られるようになり、正しい診断に結び付くケースが増えてきた。「患者さんが受診されると、積極的な鑑別診断を行います。消極的な除外診断ではありません」。
診察は、まずは問診、触診から始まる。どの場所がどの程度、どのように痛いのか。どれくらい痛みが続いているのかといった状態を聞く。そして、実際に痛い場所を触れて診る。「線維筋痛症の場合。原因不明の痛みが3カ月以上続くのです。その痛む場所は別に炎症を起こしているのではありませんから、温かいとか、熱を持っているということはなく、むしろ冷たいのが特徴的です。そして、筋肉の張りや圧痛点も調べます」。
線維筋痛症の診断基準はアメリカでは90年にすでにアメリカリウマチ学会が作っている。「全身に原因不明の痛みが3カ月以上続き、全身18カ所の圧迫ポイントのうち11カ所以上押すと痛い場合、線維筋痛症と診断する」。圧痛ポイントを押すときは、約4キロの強度で押す。
その一方で、痛みの原因を特定するためにエックス線検査、MRI(磁気共鳴画像装置)検査、血液検査を行う。「器質的異常がないと、線維筋痛症が強く疑われることになります」。もちろん、器質的疾患が発見されても、その疾患と線維筋痛症の2つの疾患が合併していることもあるので、注意が必要である。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆線維筋痛症の名医
▽篠ノ井総合病院(長野市)リウマチ科・浦野房三主任医長
▽中部労災病院(名古屋市港区)心療内科・芦原睦部長
▽関西医科大学付属病院(大阪府守口市)心療内科・中井吉英教授
May 5, 2006 10:29 AM
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