健康連載ブログ

2006年04月30日

この病気にこの名医Part2

【第109回】似たような疾患が多い/慶応大学病院日比紀文教授

潰瘍性大腸炎(下)

 潰瘍(かいよう)性大腸炎は原因がまだ分かっていない。ただ、自己免疫の異常のほか、遺伝、欧米型食生活、ストレス、ウイルス感染説など取りざたされている。

 大腸に潰瘍が生じるので、下痢が頻繁に起こり、出血も。粘液便、粘血便が主症状で、重症ともなると、発熱、貧血、体重減少が現れる。そして、症状が同じように続いたり、急激に悪化するというより、良くなったり悪くなったりするところに特徴がある。悪くなるときには風邪、ストレス過多、体調不良などがきっかけとなることもある。

 その潰瘍性大腸炎は、診断をつけるのも簡単ではない。潰瘍性大腸炎、クローン病の診断・治療で有名な慶応義塾大学病院(東京・新宿区)消化器内科の日比紀文教授が診断方法について次のように言う。

 「まずは問診。ついで注腸造影検査や大腸内視鏡検査で調べます。原因が分かっていないので、ほかの似ている病気を『これは違う』『これも違う』と、1つ1つ除外して、最後に潰瘍性大腸炎が残るとそこで診断がつきます。いわゆる除外診断です」。

 問診で今の症状がどのようなもので、いつから始まり、どんなときに悪化するかなどを詳しく聞く。同時に「血液検査」や「便の培養」も行われ「注腸造影検査」「大腸内視鏡検査」が加わり、大腸内視鏡検査では目で炎症の範囲を確認できる。ただし、他の疾患を否定するため、炎症の重症度をみるために、組織を採って確認する。

 「似たような症状を起こす疾患が多いのです。カンピロバクター腸炎、アメーバ赤痢、虚血腸炎、腸結核などを間違いなく除外していけるか否かが重要なのです」。

 カンピロバクター腸炎はカンピロバクターという細菌で引き起こされる食中毒で、便の培養などでしっかり除外できる。アメーバ赤痢は、赤痢アメーバという原虫に感染して、やはり潰瘍性大腸炎とよく似た症状を引き起こすが、これも便検査や特徴的な大腸内視鏡像などで除外できる。

 診断がついたら、潰瘍性大腸炎患者を多く診ている医師であればそのまま治療に入ればいい。が、もしそうでなければ、専門医の診察を受けるべきである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆潰瘍性大腸炎の名医
 ▽慶応義塾大学病院(東京都新宿区)消化器内科・日比紀文教授
 ▽東京女子医科大学病院(東京都新宿区)消化器病センター内科・飯塚文瑛准講師
 ▽東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)消化器内科・渡辺守教授
 ▽北里大学病院(神奈川県相模原市)消化器外科・渡辺昌彦教授

April 30, 2006 09:57 AM

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