健康連載ブログ

2006年04月28日

この病気にこの名医Part2

【第107回】日帰りできる腹腔鏡下摘出手術/湘南厚木病院篠崎伸明院長

胆石症の治療(下)

 胆のうや胆管に石ができる胆石症。これが検査で分かり、それ以降、定期的に検査を受けて石が大きくなったり、発作(疝痛=せんつう=と表現される激痛)を繰り返すようであれば治療が勧められる。

 胆石症の治療には「溶解療法」「破砕療法(体外衝撃波破砕術)」「腹腔(ふくくう)鏡下胆のう摘出術」「内視鏡的胆石除去術」がある。「ところが、今日ではほとんど行われなくなった治療も出てきています」と、湘南厚木病院(神奈川県厚木市)の篠崎伸明院長は指摘する。そのほとんど行われなくなった治療とは-。

 「溶解療法と破砕療法です。溶解療法は石を溶かす薬を使いますが、あまり効果がないのです。無症状のサイレントストーンの場合はそれでもいいのですが、症状が出ているときは薬で時間を費やすのは論外です」。もう1つの破砕療法は外部から胆石に衝撃波を当てて石を細かく砕いて排出しようという治療法。「石は細かく砕かれても総胆管を通ることになり、合併症が多発し、今はほとんど行われません」。

 勢い胆石の治療は腹腔鏡下胆のう摘出術になっている。「術者の目だけで見るのではなく、チーム5人の目がモニターを見ていますので、安全な手術だと思います」。

 90年から日本で開始された腹腔鏡下胆のう摘出術は、基本的には腹部4カ所(3カ所の施設もある)に1センチ(2カ所)と5ミリ(2カ所)の孔(あな)を開け、そこから腹腔鏡や手術道具を挿入してモニターを見ながら胆のうを摘出してくる手術である。全身麻酔下で行われ、手術時間は約1時間。開腹の場合は10~15センチは腹部を切るので、それと比べると患者の体への負担は極めて少ない。

 「体に優しい手術だからこそ、日帰り手術もできるのです。日帰りを希望した患者さんの60%が日帰りできており、40%が1泊もしくは2泊になっています」。ただ、肥満患者のケースなどでは胆のうが腹腔鏡では見えないことがあり、そういう場合は開腹手術に移行する。2~3%程度であるという。

 胆のうにある石は腹腔鏡下胆のう摘出術が行われるが、総胆管などに石が詰まっているケースが10%程度あるが、この場合は「内視鏡的胆石切除術」が行われる。口から内視鏡を入れて行う治療である。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆胆石の腹腔鏡手術の名医
 ▽関西医科大学付属滝井病院(大阪府守口市)外科・權(こん)雅憲助教授
 ▽松原徳洲会病院(大阪府松原市)外科・佐野憲院長
 ▽出雲徳洲会病院(島根県出雲市)外科・田原英樹副院長
 ▽佐田病院(福岡市中央区)外科・佐田正之院長

April 28, 2006 10:18 AM

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