健康連載ブログ

2006年04月26日

この病気にこの名医Part2

【第105回】サイレントストーンに注意/湘南厚木病院篠崎伸明院長

胆石症(下)

 胆のうや胆管に石ができる胆石症の人は、日本の成人には1000万人いるという。およそ10人に1人になるが、これらの人が全員治療を必要とするわけではない。「胆石があっても無症状の人『サイレントストーン』と呼んでいますが、こういう人は問題はありません。無症状のまま生涯を全うすることができます」と、胆石症の日帰り手術を日本に定着させた1人、湘南厚木病院(神奈川県厚木市)の篠崎伸明院長は言う。

 無症状の人は胆石症の人の70~80%。逆にいうと、20~30%の人は症状が出て治療を必要とするのである。多くは天ぷら、ステーキ、焼き肉など脂っこい物を食べた後に症状は出てくる。胆汁を出すために胆のうが収縮し、それに伴って胆石が動いて胆のう粘膜を刺激し、痛みが生じる。

 また、胆石が胆管にこぼれ、胆管をふさいだり、急性の胆のう炎を引き起こすと痛みが出る。この痛みは単なる痛みではなく「疝痛(せんつう)発作」といわれ、激痛である。

 ごくまれには、胆石が腸管に排出され、便と一緒に出されてしまうこともあるが、多くは痛みが治まったり、また引き起こされたりして急性胆のう炎といった合併症を起こしてしまう。「この場合は緊急に治療が必要となります。急性胆のう炎の症状は発熱と腹痛。細菌が感染して繁殖し、炎症を起こすのです。糖尿病の方は免疫力が低下しており、感染症にかかりやすい状態になっているので、サイレントストーンから、ある日突然に急性胆のう炎を起こすケースがあるので、特に注意してほしいですね」。

 さらに、胆管と胆のう管が一緒になって総胆管として十二指腸へと入るが、その総胆管に石がこぼれたときには、症状の有無にかかわらず胆石を取り除く必要がある。「急性胆管炎では細菌感染症の敗血症を起こしやすく、多臓器不全に至るなど、生命の危機にさらされるからです。当然、黄疸(おうだん)も現れます」。

 だから、胆石があるのが分かっている場合は、定期的な検査が大事である。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆胆のう 胆のうは「ナス」のような形をした6~8センチくらいの臓器で、十二指腸の上にある。肝臓で作られた消化液の胆汁をためておき、食事を取ったときに胆のうが収縮して胆汁が絞り出される。

 ◆胆石の腹腔鏡手術の名医
 ▽虎の門病院(東京都港区)消化器外科・渡辺五朗部長
 ▽東邦大学医療センター大橋病院(東京都目黒区)第3外科・炭山嘉伸教授(院長)
 ▽帝京大学溝口病院(川崎市高津区)外科・村田宣夫教授、山川達郎名誉教授
 ▽湘南厚木病院(神奈川県厚木市)篠崎伸明院長、小銭太朗副院長

April 26, 2006 10:48 AM

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