2006年04月24日
この病気にこの名医Part2
【第103回】主流はコンビネーション/聖路加国際病院衛藤光部長
乾癬の治療(下)
治りにくいといわれる皮膚疾患の「乾癬(かんせん)」は、外用薬、内服薬、紫外線療法が治療の3本柱。今回は紫外線療法を紹介する。
「紫外線には炎症を抑えたり、皮膚の新陳代謝を抑える働きとともに、ビタミンDを体の中に作り皮膚を正常に戻す働きもあります。だから乾癬の治療に紫外線が使われるのです」と、紫外線療法の有用性を話すのは、聖路加国際病院(東京・中央区)皮膚科の衛藤光部長。
紫外線療法には「PUVA(プバ)療法」「UVB療法」「ナローバンドUVB療法」の3方法が行われている。
●PUVA療法 光増感作用、つまり紫外線に反応しやすい「ソラレン」という薬を内服、もしくは患部に塗る。その後、波長の長い紫外線のUVAを1~2時間照射する方法である。ただし、服用するソラレンは毒性が強く、妊婦には禁忌とされている。
●UVB療法 蛍光管から中波長の紫外線のUVBが出る。50センチくらい離して患部だけに照射する。健康部には照射しない。
●ナローバンドUVB療法 「UVBが乾癬に効果のあることは以前から分かっていましたが、単独では日焼けの問題があって難しかったのです。そのUVBの中から乾癬により効果のある311~312ナノメーターの非常に幅の狭い波長を照射する方法です。だから、日焼けが起こりにくくPUVA療法と同等以上の効果があるとされています」。
この療法は患者の多いヨーロッパ諸国ではすでに一般的だが、日本には聖路加国際病院をはじめとしてまだ10台程度しか機械が入っていないので、どこでも受けられるというわけにはいかない。「週に2~3回(1回に5~7分程度照射)を20回で1クールとしています。40回受ける患者さんもいます。全身照射なので、乾癬が全身に広がっている中等症から重症の人が適応です。限局タイプの方は外用薬になります」。
紫外線療法に外用薬、内服薬。「いくつかの治療を半年間ずつ行っていき、副作用のリスクを減らすローテーションセラピーという方法がありました。今はむしろコンビネーションセラピーです。紫外線プラス外用薬といった具合に、上手に治療法を組み合わせて副作用を抑えるのです」。今日の治療の主流はコンビネーション治療なのである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆乾癬の名医
▽大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)皮膚科・片山一朗教授
▽近畿大学医学部付属病院(大阪府大阪狭山市)皮膚科・川原繁助教授
▽山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)皮膚科・武蔵正彦教授
▽高知大学医学部付属病院(高知県南国市)皮膚科・小玉肇教授
▽福岡大学病院(福岡市城南区)皮膚科・中山樹一郎教授
April 24, 2006 11:53 AM
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