2006年04月22日
この病気にこの名医Part2
【第101回】皮膚生検でタイプ判断/聖路加国際病院衛藤光部長
乾癬(下)
注目されている乾癬(かんせん)とは、赤く盛り上がった発疹(ほっしん)に鱗屑(りんせつ)ができてカサカサした薄皮がはがれていく慢性疾患。重症のケースでは全身に広がることもある。
このような症状がある場合は、皮膚科を受診する。まずは何をおいても皮膚の診断。「問診が重要なのですが、それと同時に患者さんの患部を見て、触ってというのが最も大切です。多くの場合は問診、視触診だけで正しい診断がつきます」と、乾癬の患者の会をバックアップする聖路加国際病院(東京・中央区)皮膚科の衛藤光部長は言う。
もちろん、問診、視触診で100%というわけにはいかないこともある。「乾癬のごく初期の段階では診断がつかないこともあります。紛らわしい病気もあるからです。そういうときは、皮膚生検を行って顕微鏡で皮膚の表皮や真皮の状態を調べます」。皮膚生検では局所麻酔をして米粒くらいの皮膚を切除する。あとは2針くらい患部を縫う。「病変部の皮膚には乾癬特有の病理組織像があるので、はっきり分かります」。
皮膚は表皮の下に真皮があり、真皮の部分には毛細血管が入ってきている。表皮は0・2~0・4ミリの細胞層だが、乾癬になると表皮部分の細胞層が大きく波打つように幅が0・1~0・6ミリと大きくなる。そして、真皮部分に白血球が集まっている。ここで確定診断がつく。
そのときには、乾癬でもどのタイプなのかも、当然診断がつく。乾癬には「尋常性乾癬」「膿疱(のうほう)性乾癬」「乾癬性紅皮症」「急性滴状乾癬」などがある。
尋常性乾癬は乾癬の90%を占め、尋常性(最も普通の)の意味が示すように、皮膚に紅斑ができ、その表面が鱗屑に覆われる。乾癬性紅皮症は尋常性乾癬が全身に広がった状態。膿疱性乾癬はカサカサした鱗屑の部分だけではなく、そこにジクジクとしたうみを持つ小さな発疹の膿疱も生じる。多くは尋常性乾癬が悪化して起きる。急性滴状乾癬は風邪や扁桃(へんとう)炎の後に、体中に水滴くらいの小さな乾癬が多発する疾患である。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆乾癬第9回学習懇談会 5月14日(日)13時30分から東京慈恵会医科大学(東京都港区西新橋、都営地下鉄三田線御成門駅から徒歩5分)大講堂で開催される。乾癬の方、家族の方どなたでも参加OK。参加費は非会員1000円。講演は安倍正敏群馬大学医学部講師の「“劇”安!!ビフォーアフター」。
◆乾癬の名医
▽東京逓信病院(東京都千代田区)皮膚科・江藤隆史部長
▽東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)皮膚科・中川秀己教授、上出良一教授
▽日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)皮膚科・照井正教授
▽東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)皮膚科・小沢明教授
April 22, 2006 11:25 AM
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