健康連載ブログ

2006年04月21日

この病気にこの名医Part2

【第100回】朝起きてコップ1杯の水で胃腸刺激

乾癬(上)

 患者が増加し続けている皮膚疾患として「乾癬(かんせん)」が注目を集めている。赤く盛り上がった発疹(ほっしん)に、カサカサした薄皮、いわゆる鱗屑(りんせつ)ができてははがれていく慢性疾患で、かゆみや関節に痛みを伴うこともある。

 白人に多く、有色人種に少ない傾向があり、人口に対する発生頻度ではデンマークが最も多く2・9%、34人に1人が乾癬患者。米国は2%で100人に2人。日本は0・1~0・2%で1000人に1~2人。男女比では男性が女性の2倍である。

 日本の患者数は86年に5000人をわずかに切っていたのが02年には3万人を超えてしまった。「欧米型の食生活の普及とともに増えてきました。戦前の食生活の貧しいときには乾癬はみられませんでした。食生活が豊かになり、脂肪や肉をどんどん食べるようになって増えてきたのです」と指摘するのは、聖路加国際病院(東京・中央区)皮膚科の衛藤光部長。

 乾癬の発病の原因は、まだよく分かっていないが、体質的素因の上に、欧米型の生活といった環境因子が重なって発症するといわれている。「環境因子はそれだけではなく、気候、喫煙、アルコール、不眠、精神的ストレスのほか、風邪や扁桃(へんとう)炎などの感染症が引き金となって起こることもあります」。

 体質的素因とはその人が持って生まれた特徴のことで、自己免疫反応が起きやすいといわれている。実際、乾癬は、つめを含むあらゆる場所にできるものの、刺激を受けやすいひじ、ひざ、お尻、頭にできやすい。「日の光をよく浴びるところには少ないという特徴もあります」。

 患部では表皮の新陳代謝が活発になる。正常な皮膚は約28日でアカとなってはがれ落ちるのに対し、乾癬の病変部では約4日でアカとなってはがれ落ちてしまう。そのため、正常な表皮が作られず、皮膚がカサカサしてしまうのである。体内で自己免疫反応が起き、白血球などの血液成分が集まり、炎症を起こすので毛細血管を拡張させる。そのため、患部が赤く見える。「もぐらたたきのように発疹を治すことはできますが、事前に発疹を抑えることはできません。上手にコントロールできればQOL(生活の質)は悪くなりません」。乾癬はコントロール可能な病気なのである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆乾癬の名医
 ▽小林皮膚科クリニック(札幌市北区)小林仁院長
 ▽山形大学医学部付属病院(山形市)皮膚科・三橋善比古助教授
 ▽自治医科大学付属病院(栃木県南河内町)皮膚科・大槻マミ太郎教授
 ▽聖路加国際病院(東京都中央区)皮膚科・衛藤光部長

April 21, 2006 10:56 AM

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