2006年04月20日
この病気にこの名医Part2
【第99回】朝起きてコップ1杯の水で胃腸刺激/東京医科大学病院酒井義浩教授
過敏性腸症候群の治療(下)
過敏性腸症候群はストレスが大きな誘因となっている。が、そのストレスが何なのかを突き止めるのは非常に困難を要する。「そこで、ストレスを解消する方法を患者さんとの話の中でアドバイスします」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)消化器内科の酒井義浩教授は言う。
そして続ける。「ストレスに加え、過敏性腸症候群の治療では、生活習慣の改善がとても重要になります。これらを行うことで、使っている薬もしだいに減らせ、最終的には薬を服用しなくてもよくなります」。
◆ストレス解消 ストレスを発散し、解消するには、運動や大声で歌うことを酒井教授は勧める。「家路に就くときは40分くらい歩いて帰りなさい、と言っています。また、大声で歌うのもいい、特にカラオケよりも合唱のグループに入って大声で歌うのが効果的です」。このほか、ヨガ、ストレッチ、気功など、すぐに行えて瞬間的にストレスを忘れていられるものがベスト。
◆生活習慣の改善 まずは規則正しい生活。「朝起きてコップ1杯の水を飲んで胃腸が刺激され、さらに朝食をとると便が出るタイミングができます。人間の体内時計はそのようにセットされているのです」。そのためには早寝も大事になる。早寝をするには、日中に十分日の光を浴びてウオーキングを行っておく。
快便のためには食事の内容も重要。「朝食ではパンを食べる方が多くなりましたが、過敏性腸症候群の患者さんには、朝昼夕とも食物繊維の多いご飯を勧めています。白米でいいのですが、できれば雑穀を加えます。ただ、玄米はリンが多くてカルシウムを排出させてしまうので、女性には勧めません」。
豆類も繊維が多く、きのこ類、海藻類、野菜をしっかり摂取する。食物繊維の摂取量は1日25グラムが目標。毎食1品は食物繊維の多い食材を摂ると、便通は改善へと向かう。「みそ汁、納豆などの発酵食品もお勧めです。腸内の善玉菌を増やしてくれるからです」。
そして、1日3食規則正しく食べると、過敏性腸症候群は改善へと向かい、薬の服用もいらなくなる。
◆過敏性腸症候群 腹痛や腹部不快感が1年のうち12週以上(1週間のうち1日でもあると1週とする)ある。その上、「腹痛などは排便で改善する」「排便の回数の変化で腹痛などが始まる」「腹痛などは便の形状の変化から始まる」の2項目にあてはまり、腸に炎症や潰瘍(かいよう)がないものをいう。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆過敏性腸症候群の名医
▽大阪鉄道病院(大阪市阿倍野区)消化器内科・清水誠治部長
▽福岡大学筑紫病院(福岡県筑紫野市)消化器科・松井敏幸教授
▽済生会熊本病院(熊本市)須古博信院長
▽琉球大学医学部付属病院(沖縄県西原町)第1内科(光学医療診療部)・金城福則助教授
April 20, 2006 08:35 AM
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