健康連載ブログ

2006年04月19日

この病気にこの名医Part2

【第98回】第1選択薬ポリカルボフィルカルシウム/東京医科大学病院酒井義浩教授

過敏性腸症候群の治療(上)

 腹痛や腹部不快感に伴って便秘、下痢、また、それらを交互に繰り返す過敏性腸症候群。適切な診察でそれと診断がつくと、治療になる。「最初に、過敏性腸症候群の症状は改善していきますが、基本的には一生付き合っていく病気ということを知ってもらいます。もちろん、症状を改善することでQOL(生活の質)は良くなり、普通の方々と同じ生活ができます。それを理解してもらい、前向きな気持ちで治療を始めます」と言うのは、東京医科大学病院(東京・新宿区)消化器内科の酒井義浩教授。

 まずは薬物治療となる。基本的に第1選択薬となるのは「ポリカルボフィルカルシウム」。

 ◆ポリカルボフィルカルシウム 便秘、下痢、どちらにも効果のある薬。それというのも便形状改善薬だからである。2000年に認可された薬で「食物繊維と同じような働きをする高吸水性ポリマーでできているので、大変吸水性がいいのです」。そのため、便が下痢のときは正常な便に、便秘のときは水分吸収で軟らかくなり、やはり正常な便になる。さらに、高吸水性ポリマーは体に吸収されることがない。だから「副作用の心配はありません」ということである。

 第1選択薬であるポリカルボフィルカルシウムだけでは、症状の改善が難しいときには便秘に対しては下剤、下痢に対しては下痢止めも併用して処方される。「便秘にはマグネシウム、下剤にはカルシウムも使います」。このほか「腸内細菌調整薬」も使われる。「乳酸菌製剤とかを使い、腸内の善玉菌を増やして下痢、便秘を改善に向かわせます」。

 それでもコントロールが難しいときは「精神安定薬」が使われることもある。「基本的には薬を使って反応を診て、そして、薬の処方を調整していきます。それと同時に、私たちは心療内科と同じように患者さんの話を十分に聞き、ストレスになっている原因を探すことも時間をかけて行っています」。

 ストレスの原因、過敏性腸症候群を引き起こしているストレス原因が分かると、症状は大きく改善へと向かう。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆過敏性腸症候群の名医
 ▽北里大学東病院(神奈川県相模原市)消化器疾患治療センター・勝又伴栄センター長
 ▽藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)消化器内科・平田一郎教授
 ▽多田消化器クリニック(京都市中京区)多田正大院長

April 19, 2006 11:58 AM

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