健康連載ブログ

2006年04月18日

この病気にこの名医Part2

【第97回】基準3項目と内視鏡で診断/東京医科大学病院酒井義浩教授

過敏性腸症候群(下)

 ストレスが大きく関係して下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群。日本人の10人に1人はこの病気に悩まされているといわれている。「過敏性腸症候群は腸の中に炎症や潰瘍(かいよう)のないことが条件です。まずは専門医を受診して検査を受けることが大事です」と、悩んでいないで受診を勧めるのが東京医科大学病院(東京・新宿区)消化器内科の酒井義浩教授。

 受診すると、まずは「問診」から始まる。「問診は十分に時間をとって行います。どのようなときに症状が起き、それは下痢、便秘、それとも交互に繰り返すのかなど詳しく聞きます。これを『ローマ2基準』に当てはめます」。「ローマ2基準」とは過敏性腸症候群の世界の診断基準である。

 〈ローマ2基準〉<1>~<3>のすべてに当てはまる。

 <1>腹痛や腹部不快感がある。

 <2>腹痛や腹部不快感が過去1年間に12週以上あった(1週間に1日でも過敏性腸症候群が疑われる症状があれば1週とする)。

 <3>以下の3項目のうち2項目以上当てはまる。(A)腹痛、腹部不快感は排便後に改善する(B)腹痛、腹部不快感は排便の回数が多くなったり、少なくなったりの変化で始まる(C)腹痛、腹部不快感は便の形状の変化で始まる。

 これに、血液検査、エックス線検査(注腸造影)、大腸内視鏡検査を行う。「今はなるべく被爆を避けるということからエックス線検査は行わず、大腸内視鏡検査ですませています。ローマ2基準に当てはまり、内視鏡で腸に炎症、潰瘍がないと、過敏性腸症候群の可能性が極めて高くなります」。

 確定しないのは、そのほかに同じような症状を引き起こす病気を除外していく必要があるからで、過敏性腸症候群ではこの除外診断も必要なのである。

 大腸がん、潰瘍性大腸炎、クーロン病などは内視鏡で除外でき、食物アレルギーなどのあるときは、当然、除外される。「そのあたりは、問診が大事になります。だから消化器内科は心療内科と同じくらいに問診に時間をかけているのです」。除外するものを除外して、最終的に「過敏性腸症候群」と診断される。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆過敏性腸症候群の名医
 ▽東京医科大学病院(東京都新宿区)消化器内科・酒井義浩教授
 ▽順天堂大学付属順天堂医院(東京都文京区)消化器内科・荻原達雄助教授
 ▽アーツクリニック大崎(東京都品川区)筒井末春顧問(東邦大学医学部名誉教授)

April 18, 2006 01:50 PM

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