健康連載ブログ

2006年04月17日

この病気にこの名医Part2

【第96回】ストレスが大きく関係/東京医科大学病院酒井義浩教授

過敏性腸症候群(上)

 腹痛の鋭い痛みというより、むしろ「腹部不快感」に悩まされている人が現代には多く、重症では通勤時に各駅停車にしか乗れない人もいる。それは、電車に乗っているときに急に便意を催すため、快速などでは駅間が長くて、その間に漏らしてしまうことになりかねないからである。このように苦しむ人は、各駅のトイレの場所までも熟知している。

 実際、このような悩みを持つ人が多いとあって、各駅のトイレの場所を紹介した本まで出版されたほどである。「このような便通異常が続いたり、繰り返すようであれば過敏性腸症候群が強く疑われます。ただ、この疾患が増えているかというと、正確なところは分かりませんが、社会が複雑になり、能力主義時代になると、増えて不思議はないと思います」とは、東京医科大学病院(東京・新宿区)消化器内科の酒井義浩教授。

 便通異常を引き起こす過敏性腸症候群はその症状の現れ方によって3つのタイプに分かれる。

 ◆下痢型 便通は1日1~2回が理想だが、水分の多い下痢の場合は1日に4~5回も排便し、それを繰り返す。

 ◆便秘型 数日に1回しか便が出なくても排便後にすっきり感があれば問題はない。問題となるのは便意があるにもかかわらず4~5日も排便がなく、出てもコロッとした便。

 ◆交代型 下痢タイプ、便秘タイプとすっきりわかれるのではなく、下痢が続いたかと思うと便秘が続くというように、交互に繰り返していくタイプである。

 過敏性腸症候群が起きるメカニズムは-。「はっきりと原因が分かっているわけではありませんが、ストレスが大きく関係しているだろうということは間違いありません。腸には神経伝達物質が多く、ここから腸の状態が脳に信号として送られると、脳から腸が正常に働くように自律神経によって指令が伝えられます。ところが、その人にとってストレス過多状態になると、自律神経が混乱をきたして便通異常が起きるのです」。

 もちろん、他の疾患も考えられるので、まずは消化器内科を受診すべきである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆自律神経 自分自身の意志に関係なく反応する内臓や血管を支配する神経。互いに逆の作用を持つ交感神経と副交感神経が自動的に調節している。そのバランスが崩れるとさまざまな病気を引き起こす。

 ◆過敏性腸症候群の名医
 ▽弘前大学医学部付属病院(青森県弘前市)消化器内科・佐々木大輔教授
 ▽東北大学医学部付属病院(仙台市青葉区)心療内科・本郷道夫教授
 ▽国立病院機構さいがた病院(新潟県上越市)消化器科・松枝啓院長

April 17, 2006 08:23 AM

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