健康連載ブログ

2006年04月13日

この病気にこの名医Part2

【第92回】症状出ないようにコントロール/東京逓信病院江藤隆史部長

アトピー性皮膚炎(上)

 認知度の高いアトピー性皮膚炎のアトピーとは、ギリシャ語で「不思議な」とか「奇妙な」といった意味で、病気自体は古い歴史書などから、紀元前からあったことが分かっている。

 「アトピー性皮膚炎と正式に病名をつけたのはアメリカの皮膚科医で、1933年のことです。それ以前はさまざまな病名で呼ばれていました」。アトピー性皮膚炎の治療でよく知られている東京逓信病院(東京・千代田区)皮膚科の江藤隆史部長は言う。患者数は約40万人とされているが、実際にはその2~3倍の人々がアトピーで悩んでいると考えられている。

 患者の中には医師から「アトピーは一生治りません」と言われて落ち込んでしまった人も少なくない。「きちっと説明しない医師にも問題があります。アレルギー性の病気は骨折のように『治療しました、ハイ完治!』とはいきません。ただ、症状に合った薬を塗ってスキンケアを続けるとアトピーではない人と全く同じ生活ができます」。

 つまり、アトピー治療の基本的な考え方は「症状が出ないようにコントロールして、患者さんのQOL(生活の質)を少しでも高める」ことである。

 悩める患者の多いアトピー性皮膚炎とは、どのような病気なのか。「かゆみのある皮膚の炎症が体の一部、あるいは全身に現れ、良くなったり悪くなったりしながら慢性的に続く病気です」。このような症状が出るのは、アレルギー体質を持っていて、ここにハウスダストやダニ、カビなどの刺激が加わって皮膚に反応が出ると考えられていた。しかし、それだけではなかった。「持って生まれたアレルギー体質と皮膚のバリアー機能が低下する体質、この2つが重なり合って病気が起きるのです」。

 バリアー機能とは異物が体内に入るのを防ぐ機能。ところが、乾燥した皮膚はかゆみを起こし、これを手でかくとバリアー機能はますます壊れ、ダニ、ハウスダストの刺激が内部に至ってしまう。

 この2つの要因のほかに、生活環境、特定の食べ物、精神的ストレスなど、いくつもの要因が複雑に絡み合ってアトピーを治りにくい病気にしているのである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆アトピー性皮膚炎の名医
 ▽札幌皮膚科クリニック(札幌市中央区)根本治院長
 ▽網走皮膚科クリニック(北海道網走市)国分純院長
 ▽弘前大学医学部付属病院(青森県弘前市)皮膚科・花田勝美教授
 ▽岩手医科大学付属病院(岩手県盛岡市)皮膚科・赤坂俊英教授
 ▽山形大学医学部付属病院(山形市)皮膚科・三橋義比古助教授
 ▽福島県立医科大学付属病院(福島市)皮膚科・中村晃一郎助教授

April 13, 2006 11:02 AM

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