2006年04月14日
この病気にこの名医Part2
【第93回】湿疹の状態で重症度判定/東京逓信病院江藤隆史部長
アトピー性皮膚炎(下)
かゆみのある皮膚の炎症が体の一部、あるいは全身に現れ、良くなったり悪くなったりしながら慢性に続く病気、アトピー性皮膚炎。患者はまず皮膚科を受診することになる。
初診時には問診表に記入する。過去の病歴や薬のアレルギーの有無など。そして、皮膚科ではそれ以上に患部を見る、触れるという視診、触診が極めて重要である。「患者さんから『検査はしないのですか?』と聞かれることがよくあります。皮膚のバリアー機能は見ると分かりますし、赤みで炎症度合いも分かります」と、東京逓信病院(東京・千代田区)皮膚科の江藤隆史部長は言う。
そして続ける。「重症のアトピーがイコールIgE(免疫グロブリンE)抗体価が上昇しているとは限りません。また、IgE値が高いからといっても、特定の抗原を1つに決めることができず、多くの抗原に反応しているのが分かるのみです」。だから、江藤部長は患者に数日通院してもらいながら、薬の効き具合をチェックし、問診を行い、必要に応じて検査を加える。問診時には、これまでアトピーの治療歴がある場合はこれを医師に伝え、使っていた薬、使用期間なども医師に伝える。
アトピー性皮膚炎と診断がつくと、重症度も診断される。アトピーの重症度ではかゆみの強さなどの客観的な判定は難しい。そこで判定は視診で分かる湿疹(しっしん)の状態で行う。湿疹の状態は「軽度」と「強い炎症」に分け、軽度に入るのが赤みを帯びていたり乾燥しているタイプ、強い炎症に入るのは赤くはれて盛り上がっていたりジクジクしているタイプ。「この2つのタイプが体にどうような割合で分布しているかで、全体的重症度を『軽症』『中等症』『重症』『最重症』の4段階に分けています」。
その重症度に合わせて、塗り薬、内服薬を処方する。「このときに、薬の塗り方をきちっと指導することが大事です」。帰宅すると、患者自身が薬を飲み、薬を塗る治療が始まる。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆アトピー性皮膚炎
▽自治医科大学付属病院(栃木県南河内町)皮膚科・大槻マミ太郎教授
▽東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)皮膚科・中川秀己教授
▽東京逓信病院(東京都千代田区)皮膚科・江藤隆史部長
▽国立国際医療センター(東京都新宿区)皮膚科・玉木毅医長
▽東京女子医科大学病院(東京都新宿区)皮膚科・川島真教授
▽NTT東日本関東病院(東京都品川区)皮膚科・五十嵐敦之部長
April 14, 2006 08:29 AM
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