2006年04月08日
この病気にこの名医Part2
【第87回】2種類のステロイド薬/東京医科歯科大学付属病院吉沢靖之教授
間質性肺炎の治療(下)
間質性肺炎の原因を追究することで、東京医科歯科大学医学部付属病院(東京・文京区)呼吸器内科の吉沢靖之教授の下では、原因の分からない特発性間質性肺炎は約20%にまで減少した。これが治療に大きく貢献する。
「間質性肺炎の1つである過敏症肺炎の場合は、その原因がカビならばカビから、鳥ならば鳥から患者さんを離すと悪化は抑えられます」と、吉沢教授は言う。自宅のカビと分かったら腐った木を取り除いて改修したり、家を建て替えるなり、ほかのマンションに引っ越すなりする。鳥であれば、駅、公園、神社などの生活環境にいる鳥を避けるために、まずは高機能のマスクをし、自身が鳥を飼っているならそれをやめる。そして、しばらく経過観察する。
「それでも悪くなるようならばステロイド(副腎皮質ホルモン)薬を使います」。ステロイド薬の「プレドニゾロン」から使い始めて、効果が不十分なときや急を要する呼吸不全のあるケースではステロイド薬の「メチルプレドニゾロン」のセミパルス療法を行う。
セミパルス療法とは、メチルプレドニゾロン500ミリグラムを1日1回点滴静注をして、3日間行う治療法である。「プレドニゾロン減量中に再び症状が悪化したようなケースでは、保険は利きませんが、免疫抑制剤のシクロスポリンを併用します」。
間質性肺炎は、関節リウマチ、強皮症、皮膚筋炎などといった膠原(こうげん)病から起こることもあり、特に肺の病気が先に起きるときは原因が分からないので特発性間質性肺炎とされている。関節リウマチに合併して起きるときは、患者はほとんどが中高年の男性。「間質性肺炎が先に起きて、その後に関節リウマチが起きてきます。間質性肺炎は命とりになるので、治療はまず間質性肺炎を先に行います。このときはプレドニゾロンを使い、良くなって薬を減量中に関節リウマチの症状が出てきます」。
どれだけ原因追究を行っても分からない特発性間質性肺炎の場合は、全国的な治療研究を2種類の薬を使った2方法で行っている。「免疫抑制剤を使いますので、真菌感染症などの感染を防ぐために十分な予防、チェックが大事です」。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆間質性肺炎 肺の先端部、ぶどうの房のような形をしたガス交換を行う肺胞の壁(間質)に炎症が起き、修復の過程で線維化し、呼吸困難が起きてくる疾患をいう。
◆間質性肺炎の名医
▽近畿中央胸部疾患センター(大阪府堺市)内科・呼吸器科・井上義一部長
▽天理よろず相談所病院(奈良県天理市)呼吸器内科・田口善夫医師
▽済生会熊本病院(熊本市)呼吸器センター・菅守隆部長
April 8, 2006 08:14 AM
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