健康連載ブログ

2006年04月06日

この病気にこの名医Part2

【第85回】症状軽い段階で受診を/東京医科歯科大学付属病院吉沢靖之教授

間質性肺炎(下)

 肺のガス交換を行う肺胞の壁(間質)に炎症が起き、その修復過程で線維化して呼吸困難へと進む間質性肺炎。一度線維化すると、元に戻ることはない。そのため、最終的には肺全体が線維化し、それが原因で死に至ってしまう。

 急性に襲うタイプもあれば、慢性化し、じわじわと真綿で締めつけるタイプもある。「急性型は激しい炎症のために最初は38度を超える熱が出て、息切れやせきが次第に強くなってきます。よく風邪と診断されることがありますが、これは怖いです」と言うのは、間質性肺炎の診断・治療で有名な東京医科歯科大学医学部付属病院(東京・文京区)呼吸器内科の吉沢靖之教授。

 一方、慢性型は緩やかだが、肺胞の間質では線維化が着々と進んでいる。そして、特有の症状がみられる。

 ◎労作時の息切れ 家の階段は問題がないのに駅の長い階段になると息切れしてしまう。息切れは最近患者が多いことで有名になったCOPD(慢性閉塞性肺疾患)でも起きる。「COPDの場合、呼吸は腹式だが、間質性肺炎の場合は肩で早い息をするタイプです」。

 ◎乾いたせき 間質性肺炎のせきの特徴は、たんが出ない乾いたせき。「間質は腔内(くうない)ではなく気道の外側に病変があるので、たんが出ないのです。ただし、末期になると、たんも出ます」。

 ◎ばち状指 病気が長く続いて進行してくると、手足のつめに変化が現れる。スプーンを伏せて置いた形のつめで「ばち状指」といわれているが、そのほかに「ヒポクラテスつめ」「時計ガラスつめ」などともいわれる。指の先端部分が肥大してくるのでこのような変化が生じる。

 ◎チアノーゼ 唇などが青紫色になるチアノーゼが出てくるのは、血液中の酸素が不足するからである。「間質の線維化が進んでいるためにガス交換が十分にできないのです。初期の段階では動いたりすると息苦しさがあり、進行すると安静にしていても呼吸が苦しくなります」。

 このような症状、それも軽い段階で気付いて専門医を受診すべきである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆間質性肺炎の名医
 ▽自治医科大学付属病院(栃木県南河内町)呼吸器内科・杉山幸比呂教授
 ▽帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)呼吸器内科・大田健教授
 ▽東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)呼吸器内科・吉沢靖之教授

April 6, 2006 09:34 AM

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