健康連載ブログ

2006年04月07日

この病気にこの名医Part2

【第86回】ばち状指の有無チェック/東京医科歯科大学付属病院吉沢靖之教授

間質性肺炎の治療(上)

 間質性肺炎は、肺の線維化で死を招いてしまう怖い病気である。その多くは原因不明の「特発性間質性肺炎」といわれていたが、その原因を徹底的に追究し、原因が分かると防ぐ方法も取ることができる。

 その徹底した原因追究で知られるのが東京医科歯科大学医学部付属病院(東京・文京区)呼吸器内科の吉沢靖之教授。「例えば、家の水回りの周囲の腐った木の『トリコスポロン』といったカビで起こる『夏型過敏性肺炎』、鳥に対するアレルギーで引き起こされる『鳥飼(とりかい)病』などは、その抗原であるカビ、鳥から離せばいいのです。ただ、鳥の場合は飼育している鳥ではなく、野鳥のハトなどが駅などに多くいます。それが原因の人も多いのです」。

 とまれ、原因を追究するためにも、まずは正確な診断が行われる必要がある。診察は問診から始まる。症状を診ていく。「駅の階段で息切れはしないか」「階段の途中で休まないか」「せきの具合はどうか」-。「乾いたせきとともにせきの出る時間帯が重要です。せきぜんそくの場合は夜中や夜明けにせき込みます。一方、間質性肺炎ではせきは日中に、体を動かしたときに出ます」。

 このほか、チアノーゼ(唇などが青紫色になる)、指のばち状指(スプーンを伏せて置いたようなつめの形)の有無をチェック。ただ、ばち状指は間質性肺炎だけに出る症状ではなく、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肝硬変や甲状腺機能亢進症などでも出てくる。「画像診断より何より聴診器で肺の音を聴くのが一番。一呼吸ごとに、左右対称に肺の音を聴いていくと、特徴的なパチパチといった音がします」。

 問診の次は胸の「エックス線撮影」と「HRCT」を撮る。「HRCTは一般のCT以上に高分解で、間質性肺炎の特徴のハチの巣状の様子がはっきり分かります。エックス線写真では肺の容積の減少や網状影が確認できると間違いありません」。

 この時点で病気は確定できるが、万全を期すために「肺機能検査」「血液検査」「6分間歩行試験」「気管支肺胞洗浄」。最終的には「胸腔(きょうくう)鏡下肺生検」を行う。「このように検査をすることで、多かった原因不明の特発性間質性肺炎が約20%にまで減らせました」。病気の絞りこみができたのである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆間質性肺炎の名医
 ▽日本医科大学付属病院(東京都文京区)第4内科・工藤翔二教授、吾妻安良太講師
 ▽虎の門病院(東京都港区)呼吸器科・吉村邦彦部長

April 7, 2006 09:50 AM

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