2006年03月30日
この病気にこの名医Part2
【第78回】パッドテストで尿もれチェック/東京都済生会中央病院中村聡部長
女性の尿失禁の治療(上)
女性に多い尿失禁は、的確な治療のためには確実な診察・診断が不可欠である。診察は、まずは問診からスタートする。「私どもの場合は、まず患者さんに『尿失禁問診表』2枚、国際学会の『QOL問診表(ICIQ-SF)』1枚に答えてもらい、時間をかけた問診を行います。この問診である程度の診断がつきます。腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁、この鑑別診断が最も重要になります」と、女性泌尿器科外来を設けている東京都済生会中央病院(東京・港区)泌尿器科の中村聡部長は言う。
尿失禁問診表の質問項目は32。排尿の状態から睡眠、心の問題まで。QOL問診表は尿もれ度が点数で評価されるようになっている。さらに、尿検査が初診時に行われる。「尿検査を行うのは、膀胱(ぼうこう)炎や尿路結石などがないかを調べるためです。多くは問診で十分に話を聞くことで、ある程度診断がつきます」。
診断がつき、今後の診療方針が明らかな人は、症状に適した治療が行われる。自宅で行う「パッドテスト」と「排尿日誌」は、診断のついた人も、検査が必要な人も必要に応じて行う。
パッドテストは、パッドをつけて水500ミリリットルを飲み、階段を上り下りしたり、走ったり、せきをしたりと腹圧のかかる動作を1時間行う。そして、テスト前と後のパッドの重さを調べて、もれた尿の量を調べる。排尿日誌は、トイレに行った時間と尿量、そのときの尿もれの程度、尿意の強さ、いつどれくらいの水分量を摂取したかなどを1週間記入する。そして再診。
「パッドテスト、排尿日誌をチェックして、その後の症状を確認して治療を継続したり、他の治療を検討したりします。また、初診時から検査の必要だった人については『内診』『ストレステスト』『尿流量測定』『残尿測定』を行います」。
膀胱が下がっていないかなどを内診で調べ、膀胱に清潔な水を入れて尿のたまった状態を再現した上で、せきをしてもらって尿もれ度を調べる(ストレステスト)。このほか、必要に応じてより詳しい検査が加えられる。「膀胱造影検査」「膀胱内圧測定検査」である。「患者さんの状態により、また、患者さんの希望を十分に反映して、本格的な治療に入ります」。
◆尿失禁の名医
▽信州大学医学部付属病院(長野県松本市)泌尿器科・西沢理教授
▽名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)泌尿器科・後藤百万講師
▽名古屋第一赤十字病院(名古屋市中林区)泌尿器科・加藤久美子副部長
▽大阪中央病院(大阪市北区)泌尿器科・竹山政美部長
March 30, 2006 09:51 AM
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